ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 482
「そうね…あっちは自由が無いって言うか…何もかもがシスティマティクで人間味が無いんだよね…」
「ん?…それってどういうこと?…」
「何もかもが管理されていて、嵌めが外せないって感じかな…」
なるほど…外資系に多いシステムってことか…
業績が落ちると容赦なくリストラしちゃうってやつだよな…
「その点、ここは堅苦しくなくてのびのび仕事ができますよ。何より上司のみなさんも優しいですし」
そうか、遥さんの後輩だったね、この子は。
「ところで、匠さんがプレゼンしたスズタの社員って誰でした?」
「ああ…三枝さんっていう…」
「三枝…?」
「知らない?20代前半だろうに目茶苦茶きれる女の子…」
「そんな子、スズタにはいっぱいいますからね…他に何か特徴は?」
「うん…何だか僕とそっくりの奴と付き合っていたらしい…」
「うぁ?!それって鈴田巧のことでしょ?!」
沙織ちゃんが割って入ってくる;…
「そ、そうだけど…」
その剣幕に押されてしまう。
「次期社長とお付き合いとか、相当のキレ者よね〜」
「…そういうのもザラだってば」
ニヤける沙織ちゃんに、望ちゃんは冷ややかだ。
「で、その三枝さんと匠さんにそっくりな方は、今もお付き合いを?」
「いや、別れた、って言ってた」
葉月ちゃんが小首を傾げる。
「原因は聞きました?…」
「いくらなんでもそこまでは聞けないよ…一応新製品のプレゼンで行った訳だし…」
「クス…それにしてはそこまで聞き出すなんて、流石匠さんですねぇ」
「分かりまぁすぅ〜匠さんって何でも聞いてくれそうでぇ、つい相談したくなっちゃいますもん…」
葉月ちゃん…;僕は女の子たちのサンドバックじゃありませんから;…