ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 426
「軽そうに見えて…結構繊細な子だから心配だは…」
確かに…上辺は明るい奴だけど、深く知ると根暗だったりするもんな…
「よかったら、今度会う時一緒に来る?…」
「いいんですか?…お邪魔じゃありません?…」
「おいおい…なんで雪ちゃんが来たら邪魔になるのさ?…」
「あらぁ…私はてっきり、匠さんと啓くんはそういう関係だとばっかり…」
「いや、あの、そんなわけないでしょう…」
そういうって、男同士でまさか…
「そうですか?」
「ええ、そんな事実は全くございません」
…というか、そんな関係だったら、啓くんは貴女と寝ることなんてないでしょう?
「よかったぁ。てっきり2人ともどっちもいける口かと思っちゃった…」
そんな…ここのメイドちゃんたちじゃ無いんですから;…
「誤解しないでよ;…それゃあ啓くんは可愛い奴だとは思っているけど、そういうことでは無いさ…」
「あら…でも一緒のベッドでよく寝てるって聞いたはよぉ」
啓くん;…妙な誤解を受けるようなこと言うなよ;…
「うちは女きょうだいが多いし、部屋が空いてるわけじゃないから、自然と僕の部屋で一緒に寝ることになっただけさ」
「一緒に寝てはいるんだ」
「それ以上のことはないよ」
これ以上誤解されたらたまらない。
「でも、そうすると匠さんと啓くんって兄弟みたいですね」
「まあ、弟みたいな感じだね」
本当に義理の兄弟になるんだけど、ここではナイショだよね…
「いいなぁ〜私も匠さんみたいなお兄ちゃん、欲しいなぁ…」
戸籍上では、僕のお兄ちゃんになるのは啓くんなんですけどね;…
「それは嬉しいけど、一緒に生活するとがっかりすんじゃないかな?…」
「そうですか?…考えてみると、あまり匠さんのこと…知らないですけど…」