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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 417

…君が会いたかったのは隣のお嬢様では?という突っ込みは野暮だろう。
それにこの笑顔は僕だって見たかったのだから。

「ごめんね、なかなか来る機会がなくて」
「いえ…お仕事も忙しいでしょうし、仕方ないと思っていましたから…」

「香澄もこんな身体だろ…坂道を登ってくるのは心配で止めていたんだ…」
青山家は山の上にあり、僕らの住む一般的な住宅を見下ろすような位置にあった…

「言ってくだされば、私が車でお迎えにあがりましたに…」
いやいやそれは;…きつい坂道を登ってくるより心配ですから;…

「ありがとう桜ちゃん!この子が出てきたら、毎日桜ちゃんに会いに来るからね!」 
香澄;…そんなこと言っていいんですかね?;…

「香澄ちゃぁんっ…」
あ、『忠実なメイド』ではなく、『香澄の親友』としての本性が出た。
うん、やっぱり、お互いがお互いを必要としてる、ホントにいい関係だな…

「出来れば、2人ともここで暮らして欲しいですよぅ…」
涙ぐみながら話す桜ちゃん。
この子の為にも考えておく必要があるかなぁ。

「ふふふ、若いっていいわねぇ」
いつの間に…扉の前にいたのは緑川弥生さん(青山家専属料理人)の姿。

「あ、弥生さん!お久しぶりです!!」
弥生さんの顔を見ると、なんだか付き合っていたあの頃の自分に戻ってしまう…
僕にとって弥生さんは、いつまでも先生のようでもあり、大切で愛しい人なんだ…
 
「お久しぶりじゃないはよ…匠くんの結婚、誰よりも喜んでいるのは私なんだよ…」
文句を言いながらも、弥生さんは満面な笑みを浮かべている…

お袋や和彦さんの同級生で、僕にとっては忘れられない、初めてのお相手。
その頃の記憶は、今でも鮮明に覚えている。

「匠くんは、立派な男になったわ…付き合うのが10年早過ぎたのかもしれないね…」
「弥生さん…」

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