ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 337
「新しい子も来るんだろ?…その子たちがまたそんな姿見せてくれるんじゃないか?…」
「あ、はい…お兄さんそんなことまでよく知ってますね…」
まずい;…話し過ぎたか?
「あ;別に誰に聞いた訳でもないんだけどさ、純ちゃんの抜けた穴は大きいから、すぐにでも補充するだろうと思ってさ…;」
「ああ…ええ、確かに純さんは桜さんの次に有能なメイドさんでしたから、穴埋めには相当な人を呼ばないといけないでしょうね…」
それはまたすごいなぁ。
「あ、香澄ちゃんが、匠さんまた是非家にきてくださいって…」
「ああ、ありがとう」
それは僕も思っていたことだ。
「最近は、香澄ちゃんとはよく会うのか?…」
同じ敷地内に住んでいながら、つい最近まで顔も知らなかったんだもんな…
「はい…結構毎日…あ、でも変な意味はありませんよ。なんか香澄ちゃんにはそういう感情湧かないんですよね…あんな可愛い子なのに…不思議ですよね…」
それって…本能みたいなもんなんだろうか?
啓くんが知ったことではないが、香澄ちゃんとは血が繋がっているのでは…と僕は思っている…
一刻も早くそれを知りたいが、本人には聞けるはずがない。
「そういえば、君はうちの会社には来るのか?」
「あはは…毎回は行きませんよ…」
…そりゃ、毎回来たらゆかりさんの胃がもたないと思うよ…
「それじゃ時々は来るんだね?」
「あ、はい…その度に小さいパンツ掃かされて、参っちゃいますよ…」
その為に呼ばれているとはいえ、お気の毒様だな;…
「ところで、家の部長とは会ったことは?…」
「へぇ?部長さんですか…?」