ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 299
「うひょ!…」
思わずそんな声が漏れてしまった程、それは余りにも生めかしかった…
当然そんなものには興味など無いと信じていた僕は、その世界に驚愕し、戸惑いもしてしまう…
それでも僕は、それから目を離すことは出来なかった…
もしかしたらそれに魅せられる素質のようなものは、元々僕は持ち合わせていたのかもしれない…とも思えた。
そうじゃなかったら、何も見なかったことにして段ボールの蓋を閉じていた筈なのだ…
…それでも、いつ伊藤さんや涼香さんがこの部屋に入ってくるかわからなかったので、僕は少し名残惜しい気持ちで元に戻し、段ボールの蓋を閉じる。
頭の中で想像は膨らみ続ける。
伊藤さんは、実際に涼香さんとこんなことをして愉しんだのか、とか。
涼香さんのあんな姿を想像するだけでドキドキしてきた。
「…あれ、何してたんだっけな」
いつの間にか本来の目的も忘れかけていた。
案の定、僕の元気な息子は“ユサリ"とその首をもたげる…;
何やかんや言っても…女の裸を見ると、その中身に関係なくこうなっちゃうんだよね;…
せっかくのスーツを汚す訳にはいかないので上着を脱ぎ、試しに穿いたスラックスを下ろす。
テントを張ったパンツの頂きには、既に丸あるい染みが出来ていた…
…男として仕方ないのか、情けないのか。
しかし、これ以上スーツを着ることはできないかな。
僕は試しに着た一式と、適当にサイズが同じくらいのものをもらうことにした。
何にしても、数あればいいだろう。
一通り選び終わったところで伊藤さんが入ってきた。
「どうだい、気に入ったのがあったかな?」
パンツ姿のままだった僕は、慌てて穿いて来たズボンに脚を通した。
「ほぉ〜匠くんは啓に負けないぐらいに元気なんだな」
感心したように言う伊藤さんの視線は、僕の股間に注がれている。
チャックを閉じる前に、染みのできたソコをしっかりと見られていたのだ。
「あ、いえ…す、すいません…」
僕は穴があったら入りたかった。