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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 222

中途採用といえど大企業の正社員採用である、そりゃ多くの人間が集まるに決まっている。

もうひとつの後悔は、採用試験の内容だ。
面接だけでなく、筆記試験もある様子。
当然何の下準備も出来ていないので、僕は半ば記念受験とか諦めムードに入っていた。

…青山グループの内部を知れるのは僅かながらいいことだとは思っていたが。

まあ、いくら自分がこの青山家の跡取りだと分かったところで、ここを引き継ぐだけの技量なんてある訳など無い…
それは頭で考えていたよりも、こうして目で見たことによりはっきりと認識できただけでも、今日こうして来た意味はあったというもんだろう…


そう物思いに耽っている間に時間を迎え、筆記試験の問題と解答用紙が配られる。

公務員の試験を受けて、一次の筆記は通ったもののそれももう5年位前の話。
あれから勉強なんて一切やってないんだからはっきり言って自信はない。

…それでも、出たとこ勝負、当たって砕けろだな。
ここまで来ると、結構気分は楽だった。

それでも勘を頼るしか無いのが情けなかった…
多分これは常識問題で、中学入試にでも出て来ても可笑しくは無いところまでは分かるのだが、それを解く頭が無かった…
こんな事ならゲームばかりやらずに、ニュースや新聞を読んでおけばよかったと、反省もしてしまう…

試験時間が終わり、用紙が回収される。
…正直自信はまったくない。
でも、それでも仕方ないと思っている。

少しの休憩の後、面接が行われる。
面接箇所は数部屋に分かれており、指示された場所に向かう。
…集団面接と思いきや、意外にも個人面接らしい。

―そうして僕の順番。
「失礼します」
部屋に入る。
さらに意外なことに、面接官は僕と同年代か、少し年上の女性…あ、結構可愛い。

「よろしくお願いします…柏原匠さんですね…んえ?」
面接官のお姉さんが奇妙な声を上げた。どうしました?
「柏原くん、だよね?私…覚えてる?」

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