ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 201
「はい。弥生さんだったら毎晩のように家に来てますよ。」
ワイングラスを傾けていた、弥生さんの笑顔が甦る…
「彼女なんだ、僕の始めての人…」
「うわぇ@@!!そっれてすごいことじゃないでぇすかぁ!!」
おいおい興奮して暴れんなよ…只でさえ狭くてくっついてんだからさ…
「あ、す、すんません…」
「狭いんだから」
「…でも、それって、お兄さんには…」
「今も昔も、素敵な人だよ。最初はびっくりしたし、気まずかったけど、やっぱり弥生さんは弥生さんだ」
「娘さん…椿ちゃんも可愛いですよね」
「ああ…僕が初めてを弥生さんとしたときは、子供ができなくて悩んでいたから…ホントによかったと思うよ」
「椿ちゃんがあんな容姿じゃなかったら、自分の子供かと疑っちゃうじゃないですか?…」
「ああ正直、初め聞いた時はそうも思ったさ…」
「男って哀れだよなぁ〜種撒くだけ撒いても、その後どうなったかは、女の人しか分からないんだもんな〜」
その言葉…今の僕には重いんですがね…
そういえば…
「啓くん、青山家にいる男って…正確には何人いるんだ?」
「あぁ…あそこに住んでるのは、ご主人と、親父と僕の3人だけです」
「そうか」
「…でも、住み込みじゃない、出入りの業者さんにはいくらか男の人もいますね」
「へぇ…そうか」
「あまり参考にならないですね」
「そんなことないさ、ありがとう」
涼香さんが言っていた、“愛する男が側にいる"って…やっぱり和彦さんのことだったんだね…
「背中、流しますよ。」
浴槽から立ち上がる啓くんのモノが、僕の目の前で揺れていた…
そういえばこいつ…涼香さんと今も続いてんだよな…