ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 121
…参った。
視線を2人に移すと、鼻息荒くいかにも興奮してます、な状態のソフィアちゃん。
そして、お目当てのものを見れると思っているのか、目をキラキラ輝かせている椿ちゃん…
…君達、ホントは僕の裸が見たいだけでしょ!?
まあ記憶は無いにせよ、酔った勢いで一度は皆の前で晒した身体、今更恥ずかしがるのもなんだし…
それに椿ちゃんやソフィアちゃんぐらいの年代の子が、異性の身体に興味を抱くのは当然といえば当然のこと…
こんな僕でよければ、協力してあげたい気持ちにもなる…
「いいかぁ…ちょっとだけだぞ…誰にも言っちゃダメだぞ…」
諭すようにそう言うと、僕はベルトの金具をカチャカチャと音を立て解く…
期待の目が向けられる中、僕はズボンを下げ…
「匠さん?」
涼香さんの声が聞こえた。
「は、はい?」
慌ててズボンを穿き直す。
「お夕飯の準備ができましたので、こちらに…」
「あ、はいっ!」
助かったというのか、何というか…
「クスクス…それじゃまた今度ですねぇ」
ソフィアちゃんと椿ちゃんは意味深な恵美を浮かべ、入れ代わるようにして部屋から出て行った…
「匠さんはお部屋でお休やすみになっていると聞きましたけど、ごゆっくりできました?」
屈託ない笑顔を前に、僕はどこか罪悪感を感じた…
「あ…はい」
「緊張なさらないで下さいね。匠さんは大丈夫ですので」
「ええ…」
…涼香さんにはそう言われるが、やはり相手が相手だけに意識しないわけがない。
涼香さんの案内で、食事専用の部屋に入る。
香澄ちゃんと杏さんがすでに席についていた。