ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 120
「誓って、僕らはそんなことはしていませんよ。」
「まあ私は柏原さんが奥様とやっていようがいまいが関係ありませんですけど…」
…お盛んな方ですから、いちいちそんなことは気にしていられませんよね…
「でもです…そんな残り香を漂わせていたら…面白くない人もいると思いますです…」
確かに香澄ちゃんやこれから会うご主人に、妙な誤解を受け兼ねないよ…
「…とはいえ、ご主人様がお帰りになったのでシャワーは使えませんね…こうなったら…」
ソフィアちゃんは棚をゴソゴソと漁りだす。
…何が出てくるんでしょう。
「…これしかないですかねえ」
出てきたのは家にも普通にある消臭剤だった。
「ああこれって熱い人がコマーシャルやってるやつですねぇ!」
熱いひとって椿ちゃん…確かにあの人は熱過ぎるほど熱いですがね…
「あの次男役の子が可愛いんですよねぇ」
ああ確か男ばかりの3兄弟がいる家族っていう設定でしたっけ…
それにしても椿ちゃん、男に興味はないなんて言っていたけど、見るところはちゃんと見ているんだね…
「奥様の香水はそんなに強力な匂いがするわけではないのでこれで全体をやれば大丈夫だと思います」
そう言ってソフィアちゃんは僕の服に消臭剤を吹き付ける。
…気を使ってくれているのはわかるけど、なんか汚いと思われてないかなあ…
「さ、ズボンも下ろしてください。全身綺麗にしなくちゃですよ!」
…やっぱり汚いと思っていたんですかね;…
「いやそこまではいいと思うけど…」
「駄目ですよ。香水以外の臭いが着いていたらどうなさるんですか!」
「そうだよぉ。この際だからやってもらったほうがいいでぇすよぉ」
…おいおい椿ちゃんまで…