ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 1103
僕がアンナさんを抱いてから結構な日が経つし、もし治療していないにしても…それに宏は長期の出張中。
そろそろ遥さんから何かお声がかかってもおかしくはないはずだ。
当然ソフィアちゃんには言えない。
「ソフィアちゃんはお姉さんのこと好きなんだ」
「お姉ちゃんは私の憧れですから」
「ああ素敵な女性だよね…見た目だってすこぶる美人だし…」
「よかったぁ…、匠さんに折り入ってお願いがあるんですけど…」
「ん?…どうしたんだよ、いきなり新たまって…」
「こんなこと匠さんにしか頼めなくて…」
「だから何?…言いたいことがさっぱり分からないよ;…」
「出来ればお姉ちゃんの…力になって貰いたいんです…」
「力?どういうこと?」
「すいません、勝手ながら…お姉ちゃんの旦那さんは匠さんとお友達だって聞いたんです」
「うん」
「旦那さん、今は長期の出張中だって聞きました。お姉ちゃんも寂しいはずで…匠さんに、お姉ちゃんを元気にしてほしいなって」
ソフィアちゃんの切実な表情と言葉。それを重く受け止める。
「うん…お姉さんが大変な思いをしていることは僕も分かるよ…、ソフィアちゃんが休みを取って手助けできるように、香澄に言ってあげればいいかな?…」
「いえ…そうことじゃないんです…お姉ちゃんが辛い思いをしているのは、家事とか子育てとかじゃなくて…」
ソフィアちゃんは何処かソワソワした感じで香澄が寝ている部屋などあちこちを見渡しながら、言葉を選ぶように言う。
「その、匠さんはお嬢様ともうされてるので大丈夫かとは思うのですが…」
「??」
「その、お姉ちゃんの、夜のお相手というかですね…」