ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 1104
「夜のお相手!?…」
薄々はそういうことだろうとは察していたけど、具体的に言葉にされるとやっぱり焦ってしまう…
「はい…お姉ちゃんの旦那さんはあんなですし、このままずっと出来ないなんて…お姉ちゃん可哀想過ぎます…」
アンナさん本人から同じことを聞いて実際にお相手している身としては、その気持ちは痛いほどにわかる。
ソフィアちゃんにはそれはもちろん内緒だけど…
「わかった…宏のお姉さんから言われたらアンナさんのところに行ってあげるさ…」
ソフィアちゃんの肩をポンと叩く。
「よかったぁ!匠さんなら絶対受けてくれると思っていましたぁ」
パッと表情を明るくするソフィアちゃん…
やっぱりソフィアちゃんには笑顔が似合うね。
「僕の方こそありがたいよ…こうでも言って貰えないと、アンナさんに会う機会なんてなかなか作れ無いからね…」
関係を持ってしまった以上、宏に対しても罪悪感があったからね;…
「ありがとうございます。こんな相談、匠さんにしかできなくて」
「ソフィアちゃんはお姉さん思いのいい子だね」
「いえ…お姉ちゃんに幸せになってほしい、それだけです」
そう言うソフィアちゃんだが、素敵な笑顔だった。
とりあえず遥さんから声をかけられたら…またアンナさんに会いに行こう。
先ずは遥さんを飲みに誘ってみようかな…
青山コーポレーションの面接の時に何年かぶりに再会した遥さん…
高校時代の親友だった宏の姉貴でもある彼女は、弥生さんの次に僕が抱いた、二人目の女性だったりするんだよな…
しかも遥さんは僕の弟である巧と付き合っていたこともあるなんて、なんだか僕とは遥さんは妙に縁があるんだよね…