ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 1062
そんな気はしていた…
美月さんにはデキる女が持っていがちな、男を寄せつけないオーラを感じていたからな…
「美月さんほど美人だったら男なんて引く手数多だろうに…やっぱり男に負けたく無いとか思っているんですか?…」
アルコールに任せて、普段だったらちょっと聞きにくいことをぶつけてみる…
「今は女性が管理職になるために国が支援してくれる…出世志向が高すぎると煙たがられるかしら」
「まあ、部署と人によると思います」
「青山も女性社員が年々増えているの。男だけじゃなく、女の子のライバルも増えているってこと…」
美月さん、お酒が入ると難しい話になるタイプだろうか。
「私にできるかってねぇ……沙織は最近夏子さんに歯向かうことが多くなったし…」
沙織ちゃんかぁあ…
彼女は美月さんとはまた違うタイプのような気もするんだけどな…
「美月さんは、言ってみたら出世できればそれでいいと?…」
出世願望なんて全く無い僕にはよく分からないんだけど;…
「それゃあそれだけでいいだなんて…思っている訳でも無いは…私だって人並みに恋もしたいし…エッチなことだってしたいのよ…」
アルコールのせいもあってほんのり頬がピンクに染まり、少し物憂げにこちらを見つめる美月さん…
ヤバい。可愛い。
同い年なんだけど、顔立ちは幼い方だからちょっと男心がくすぐられるんだよな…
「匠くんは、私のこと、女として見れるの…?」
それは当然だ…
美月さんみたいな人がベッドの上ではどうなるのか?…それは前々から興味のあることではある…
「それを言うなら僕の方こそ…美月さんの好みはもっと歳上では?…」
対等に政治談義でも闘える男が、美月さんにはお似合いだもんな…
「そんなこと無いよ…私の理想は匠くんだもの…」
カウンターの下で太股に手を置かれ、僕はビクッと身体を痙攣させてしまう;…