人生、いくらでもやり直せるさ 51
2人で旅館周りをブラブラする。
思えば真由美とまともにデートしたのは数回程度かもしれない。
高校生の頃は一緒に帰ったりはしたが所詮家と学校の往復だけ、高校を卒業してからは店でみっちり修行の日々。
こんなにゆったりした時間を過ごせるのはいつ以来だろうか。
「雪乃さん、素敵な人よね」
「真由美もな」
「もう……調子良いんだから」
そう言いながら腕を絡めてくる真由美。
たとえ互いに身体で満足出来なくても、今の俺は真由美と過ごしてきた人生の中で真由美の事を一番愛してるかもしれない。
そして、それは真由美も同じ気がする。
俺達は人影の無い旅館の庭のベンチに腰掛けると、しっかり抱き合い唇を重ねる。
長くゆっくりとしたキス。
唇を離した時に自然と言葉が出てくる。
「愛してる、マユ」
「私もよ、悟志くん」
一旦離婚するまでは、いつしかお互いパパママとしか呼び合って無かった。
だが、再会してからお互い示し合わせた訳で無いのに名前で呼び合うようになっていた。
他の3人も魅力的なんだけど、何故か余計に真由美に恋焦がれてる気がしていた。
俺はスマホを弄り動画を再生する。
その映像は、真由美があの教師に抱かれて喘いでるものだ。
俺にはさせれない凄い顔で喘ぐ真由美・・・
以前までは見ると心が引き裂かれる気分だったが、今はこの真由美の綺麗さに見惚れる自分がいた。
「まあ・・・こんなのを・・・」
「こんな真由美を見て、もっと好きになっていってるよ」
仕方ない人ねと言いながら、真由美はどこか嬉しそうだった。
最初にこれを見た時は絶望しかなかった。
俺とのセックスがいつ頃からかよそよそしい風になって、心の底から気持ちいいと思えなくなったのに、さらに追い討ちをかけるような動画だった。
「私、こんな顔してたのね…」
「改めて今これを見て、マユはどう思うのかなって…ね」
「チ◯ポ狂いのヤリマンメスブタに相応しい顔をしてるわ」
微笑んでそう言う真由美。
俺に身を預けるように抱きついてくる。
「でも、私・・・こうなった事を後悔してない
・・・あの人に調教されたからこうなったんじゃなくて・・・私の本性がこれだもの」
真由美の笑顔に後悔の色は無い。
「これからも沢山の男に抱かれて、こんな顔をするわ私・・・そして、オマ◯コで稼いだお金を全て・・・悟志くんに貢ぐの」
俺の為に真由美が他の男に抱かれる・・・
一度はトラウマになったぐらいショックだったが、今はむしろ喜んでいる自分がいる。
そして、もう一つ・・・
昂っていく気持ちを俺は口に出す。
「マユを孕ませたい」
「ええ・・・なら、今日から数日間は子作りにいい周期だから・・・たっぷり中出ししてね・・・」
そう微笑んだ真由美は俺の手を握って自分の股間に導いてくる。
その奥はじんわりと濡れているだろうか。
微笑む真由美の頬がほのかにピンクに染まる。
それを見て股間がのっそりと立ち上がっていくのが容易に想像できた。
「おっ」
真由美と肩を寄せ合うと、ズボンのポケットの中のスマホが震えた。
『愛花ちゃんと雪乃さんと一緒に温泉入ってくるね!パパとママはその間ごゆっくり―!』