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悪魔崇拝ごっこ
【ファンタジー 官能小説】

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悪魔崇拝ごっこ-4

さてこの後どうするかが問題だった。
兄がここにいることはもうばれてしまった。そこから俺たちのこともすぐにばれるだろう。
かといって映画じゃあるまいし、トモの妹を殺すわけにもいかない。
「おい、黙ってトモをしばれ」ささやく
「なんで」ザネは小声の意味も分からず、普通にしゃべる。
「いいから縛れ」
俺は自分とザネに布を掛けた。
「僕は」トモがうろたえている。
「そのままで怖がってろ」 ナナの顔の布を取る。ほかの二人はちょっとびっくりしたようだが、どうせこんなもの、もうばれてしまっているのだ。
トモを乱暴に妹の横に突き飛ばした。
「おまえが死ぬのがいいか、兄キが死ぬのがいいか」
「どっちも嫌」ナナは泣きそうになっている。
「おまえがこのことを黙っているなら、われわれはおまえ達を生かしておいてやろう。黙っていられるか」
ナナが一生懸命首を縦に振る。
「よしいい心掛けだ。では返してやる」俺はナナの紐をほどいてやった。
ナナは兄をほったらかしたまま、服を着ながら逃げだしていった。
「おまえどうしてトモにあんなことしたんだよ。仲間だろ」ザネが言う。
「だからだよ。あのまま帰ったら、こいつ妹になんて言われると思う。同じ被害者のようにしておいたら、こいつにも言い訳ができるだろ」
「そんなことしたらきみたちだけが悪者みたいじゃないか」トモが言う。
「誰かがその役をしなきゃ仕方がないだろう。おまえだって妹を差し出したんだから」
「やっぱりおまえすげぇな」ザネが羨望の眼差しを俺にむけた。
≪おまえが口を滑らせなかったらこんなことしなくて済んだんだ≫ と言いたくて仕方がなかった。だがリーダーは黙る時を心得ている。

だけど俺たち童貞同盟はそのままだった。
次の日も3人で集まった。妹はおとなしく黙っているようだった。
「ああ、やりてえな」伸びをしながらザネがうめいた。
「だけどあれじゃだめだね、どうみても魔術の儀式じゃないよ」トモの言葉にザネが殴りかかった。
それが冗談なのは分かっていたので、ほうっておいて、「確かにそうだな、もっと勉強しなきゃな」
トモがカバンから本を出した。それは魔術について書いた本だった。
その中には挿絵入りで悪魔の儀式について書いてあった。
「よしこれを揃えようぜ」本を見たザネがすぐに乗り気になる。
「じゃあ俺は呪文を調べよう」この中では一番記憶力があるのだ。
「おまえは何をする」トモを見た。じっと四つの目がうつむき加減の目を睨みつけた。
トモは本を持ってきてくれたんだから。と言おうとした時、
「じゃあ僕、妹のノートから友達の電話番号盗んでくるよ。それで呼び出せばいいんだ」
「おまえすげぇな」ザネが大喜びでトモの背中をたたきながらはしゃぎ回った。
俺もトモがこんなにできるやつだとは思わなかった。


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