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BESTOWERS
【ファンタジー 官能小説】

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I am Providence T-3

 野党の士気は低い。一方的に奪い、犯すことを目的としている彼らは、一度劣勢に立つと命惜しさにすぐ逃げ出してしまうのだ。例え女が相手であろうとも、尊厳を捨てて逃げようとする。

 このときも、無残な肉塊となった5人の野党を見て、それを決断したようだった。顔に何滴か付いた返り血を舌で舐め取りながらこちらへ歩いてくるエイダに対して、遙かに体格の良い男達は後ずさりをする。

 遂にその中の何人かが後ろへと振り向いて逃走を図った。森の奥へと一目散にかけようとする彼らだったが、だがそこには金髪の娘が薄笑いを浮かべて立っていた。彼らの頭に恐怖が湧き上がる。だがそれを十分堪能する前に、幻のように現れたベラが振るったスパタが男達に弱点を正確に切り裂き、彼らを物言わぬ骸に変えていく。

 後ろの惨状を見て、残された野党は退路を失ったことを悟った。

「逃げんなよう。最後まで相手してくれよう」

 果たしてそれは尼僧が浮かべる笑みであろうか? 血を滴らせるスパタを月明かりに反射させ、エイダがにやりと笑ったのだ。野党のうちの一人が、無様に尻餅を付いた。

「一人残しなさいよ、エイダ」

 美貌の上にいつもと変わらぬ微笑みを浮かべながら、ベラも一歩足を踏み出した。

 都市の明かりの及ばぬ場所では、どんな危険に出くわすかわからない。


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