Invasion U-3
「そう、薬だ。一度に使用して良い量を遥かに超えているはずだが、お前には丁度良いぐらいだろう」
「クソッタレが……」
エイダの悪態に、彼らしからぬ嗤いで返事をして、アルバーメフは抽送を再開する。何度も何度もエイダの下半身が蹂躙される内に、エイダは自分自身の体が変調していくのを感じていた。
「あっ……ぐ……かはぁっ……あつ、熱い……」
下半身だけでなく、全身が燃える様に熱くなっていく。平衡感覚はますます狂い、地面と天井の区別さえ付かなくなっていた。
水滴が一粒床に落ちる。赤い水滴は、エイダの秘部から漏れ出た敗北の液体だった。だが薬に侵されたエイダの体は、既に痛みを訴えかけてはいなかった。ただ身を焦がす程の熱を帯びて、アルバーメフの乱暴な性交を受け入れていた。
「ふぁあ……あ……あああ……」
気の抜けた声を漏らしながらも、エイダの秘部はきつくアルバーメフを締め付ける。
「かっ!? ハッ―― ……う、は……」
エイダの中で好き勝手に暴れていた怒張が突如膨らむと、間を置いてエイダの中に何かが注ぎ込まれる。『それ』を理解する前にアルバーメフがエイダから肉棒を引き抜くと、エイダの手錠を外してベッドへ押し倒す。
エイダはされるがまま、簡素な薄い木板と布の上へ転がる。朦朧とした意識は、自分自身が転がったのか、それとも世界が転がったのかを理解するのにかなりの時間を必要とした。エイダがようやく自分自身が大男によって放り投げられたのだと理解すると、今度は彼女の前に男の肉棒が突き付けられていた。
「舐めろ」
男自身の白濁と、エイダを侵した証である朱色が混ざり合った巨大な肉棒がエイダの口の前で反り返っていた。
「ふざ……け、んな」
朦朧とした意識でも、男への憎悪は残っていたらしい。体を持ち上げることすらできないながらも、十分憎しみの篭った声でエイダは男の要求を拒絶した。
男が愉快そうに笑った声は、エイダに届いたかどうかわからない。
ただ彼女は、緩慢な動きしかできない頭で、ようやく自分自身が男に陵辱され、その末に男の精液を注がれたということに気がついた。
「――っ!」
瞬間、エイダに走った悪寒は彼女の意識を身を焼く灼熱の海から引き摺り出した。
ぞくり、と再び背筋に電撃が走る。
「今のお前はただの奴隷。俺に犯されながら、ただ泣き喚け」
「――このっ……好き勝手……がああああ!」
覚醒した意識を男へ向けようとしたエイダは、再び体を襲った衝撃に打ち震える。うつ伏せにされ、腰を持ち上げた体勢から、アルバーメフが肉棒をまた突き刺したのだ。
「ぅああ! この……私の、体を……ひうっ!」
「お前の体ではない。俺の体だ」
意識を取り戻したことは、エイダにとっては不幸でしかなかった。薬で改造されたエイダの体は、既に痛みでなく快楽を覚え始めていた。突き入れられた肉棒に、自然とエイダの体は跳ね上がる。アルバーメフはエイダの赤毛ごと頭を掴み、それを力づくで抑えつける。
「んはぁっ! ぐう……いつか、殺して……やる……!」
「クク、いつか俺のものを進んでしゃぶる正真正銘の奴隷にしてやる」
「誰が……お前みたいな……変態の……ぐぅあ……」
後背位での挿入は、先程とは違う角度でエイダを責める。そしてこの角度は、彼女に抑えがたい快楽を与える角度でもあった。
「後ろから犯されるのが好きなのか? さっきと反応が違うじゃないか」
「ちが――はあっ! く、そぉぉ……」
エステルのように性知識が無いに等しい訳ではない。エイダは、自分自身に『限界』が迫っていることに気がついていた。
(こんな、犯されながらイキたくない……)
「フン、良い締まりだ。――そろそろ出すぞ」
「なっ……ま、待って――」
男の宣言に、エイダは動揺を隠せない。
(今出されたら、もう――)
だが、陵辱者は女の静止にむしろ嗜虐心をそそられたようだ。限界まで腰を引くと、乱暴に肉棒を叩き付けその欲望を吐き出した。
「うあっ……ひ、ああああああああ!」
必死に『限界』を迎えることを抑えようとしていた理性は、津波に飲み込まれたように消え去り、代わりに彼女が経験したことのないほどの快楽が全てを塗りつぶしていく。
「――――カッ、――ハアア! うあ……――ひぃぃ、ああ……」
四肢と体は弓なりに反り上がり、快楽の激流に耐えようとする。男の精液はエイダの秘部に何度も何度も脈打ちながら注ぎ込まれ、最奥部まで穢していく。
「――はっ……ああ……う……」
絶頂の快感が収まり、潮のようにそれが引いていくと、エイダの体から力が抜けていく。安いベッドに顔がうずまり、自然と意識さえも遠くへと旅立っていった。
「クク、この薬に耐えるとは。面白い……」
肉棒が引きぬかれたエイダの蜜壷から、アルバーメフの白濁が零れ落ちていく。エイダの瞳には、うっすらと雫が浮かんでいた。