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爛れる月面
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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1.違う空を見ている-22

「だって。知り合いに見られたら恥しいし」
 徹はカーテンを閉めても紅美子に背を向けている。
「徹、早くきてよ」
「うん……」
 徹はほぼ直立不動で回れ右をすると、再び布団の上にやって来た。
「何で、私とするために買うのが恥しいの?」
「だって」
「きらい」
 紅美子は箱を徹に軽く投げつけると、蓋が開いてコンドームが布団の上に散らばった。
「……そんな、クミちゃん」
「仲直りしたい?」
「うん」
「……じゃぁ」紅美子は両手を広げた。「ギューってして」
「うん」
 徹はゆっくり脚を踏み出すと、開いた脇から両手も背中に回して抱き寄せた。手が震えている。
「もっと」
「……大丈夫?」
 と言いながら、徹は力を込めて紅美子を抱きしめると、紅美子も徹の首に手を回して頬を擦り合わせた。
「気持いいね」
 ……気持よかったなぁ。あれ。
「うん」
「キスしたい?」
「うん」
「じゃ、とっととしてよ」
 頬を離すと、乾いた唇が触れた。ちゃんと濡らして、と紅美子は自分も乾いていた唇を結んで湿らせて、もう一度キスをした。
「……何年ぶり?」
「十年」
「すごいね、よく憶えてる」
「クミちゃんは忘れちゃったの?」
「忘れた」紅美子は再び頬を擦り付けて、「今のほうが気持ちいい」
「うん」
「……ここからどうしたらいい?」
 耳元で囁いた。
「どうしよう?」
「わかんないよ、私も初めてだもん。ちゃんと勉強してきてよ」
「うん……。……調べた。……ハダカに、ならなきゃ」
「わー、徹、エロい」
「……ごめん」
「脱ごう」
 紅美子は徹とパッと離れて、Tシャツを脱ぎ捨てた。大人びた身体に白いブラジャーが映えていた。だが威勢よく脱いだとはいえ、正面を向くことはできずに、徹には滑らかな背中を向けてしまう。
「徹も脱いでよ」
「……恥しいよ」
「私も恥しいよっ!」
 早く脱いで、と言って紅美子は更に衣服を脱ぎ取っていくと、徹も手を震わせながら脱いでいった。全裸になった紅美子は体を隠して布団の上に座る。布団に散らばったコンドームの一つをじっと見るだけで、目線を上げて徹を見ることはできない。やがて徹もすぐ前に座る気配がした。あんまり見ちゃダメだよ、と言って紅美子は膝立ちになると、もう一度両手を広げた。徹も膝立ちになって紅美子を両手で抱き寄せていく。肌が触れて擦れ合う初めての感触がお互いにもたらされた。
「すっごい、気持ちいい」
 ……気持よかったなぁ。すごく。
「うん。クミちゃん、柔らかい……」
「子供の時より、おっぱい、大きくなったでしょ?」
「うん」
「……徹のも、お腹にあたってる」
「ごめんっ……」
 徹が紅美子の肌に触れないように腰を引こうとしたところへ、どん、と紅美子が体を押した。徹が尻もちをつく。
「……すっごく大きくなってる」
 父親を知らない紅美子は生まれて初めて男のそこを見た。大人の硬度に膨らんだ男茎をまじまじと見つめると、紅美子が見つめるほどに徹の男茎は震えて動いていた。
「クミちゃんっ……。そんなに見ないでよ」
「興奮してるんだ」
「……だからっ、見ないでってば」
「私で」
 前屈みになっていたのを、背を伸ばして瞬きの多くなっている徹の顔を覗くと、紅美子の方からキスをした。「うれしい」


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