【タイトル】美処女調教人形 初めてなのに
【出版社】オリオンブックス
【作者】マイマイ
【表紙イラスト】羊毛兎
【あらすじ】
恋愛経験の無い28歳の綾崎美柚は未だに処女のまま。そそのかされ憧れの渉とデートをするこ
とに。
しかし美柚のことをビッチで誰とでもヤリまくるという噂を信じた渉は美柚を自分のものにしようと調教行為を繰り返すのだった。
毎夜、執拗に責められる美柚だが、いつしか身体は悦びに震える。溢れる愛蜜に、あそこの疼きが止まらない……。
……あとほんの少しだったのに。
じくじくとした激しい疼きは、まだはっきりと残っている。
中途半端なまま放置された欲望が、どうして続けてくれないのかと大声で喚いているようだった。
できることなら、自分の手で慰めたいとさえ思う。
だけど、もっとして欲しかったなんて、口には出せない。
熱く火照った体を持て余す美柚の顎をつかみ、碓氷は目を細めて優しく微笑みかけた。
「まだ我慢しろよ。イクのはアレを試してからだ」
「あ、あれって……?」
碓氷が片手を伸ばし、ガラス製のテーブルに置かれた黒いボストンバッグをひっくり返した。
ガシャン、と派手な音がして中身が散乱する。
小さな卵型のピンクローター、勃起した男性器に似せて作られたディルド、それよりもさらにひとまわり大きくデフォルメされた電動式のバイブレーター。
その他にも瓶に詰められた液体や、使用目的のわからない器具がいくつもあった。
卑猥なグッズの数々に、ぞわっ、と鳥肌が立つ。
その中でも一番太く作られたシリコン製の疑似性器を、碓氷が手にとって美柚の鼻先に近づけてくる。
グロテスクな紫色をした男根。
「おまえが好きそうなのを選んでやったんだぞ、ほら」
「い、いやっ!」
こわい、気持ち悪い
。
恐怖感から思わず閉じようとした美柚の太ももに、碓氷の平手が飛んだ。
バチン、と肉を打つ音が響き渡る。
「きゃあっ!」
「勝手に動くな! 本当はうれしいくせに、嫌がるふりなんかやめろよ」
「う、うれしくなんか、あっ」
身を捩って抵抗しようとする美柚の腰を抱きかかえるようにして、碓氷が背を屈める。
べっとりと女陰に貼りついていた下着を脇にずらされ、剥き出しになった淫裂が、細かく振動するバイブの先端に押し割られていく。
心は必死になって異物の侵入を拒もうとしているのに、すでにたっぷりと潤いきった肉びらは期待に震えている。
「だめ、だめええっ……!」
巨大な塊がめりこんでくる激しい圧迫感に、背中が大きくのけ反った。
じくん、じくん、と疼きが大きくなっていく。
やめて、はやく抜いて。
もっと、ずっと奥まで欲しい。
正反対の思いが脳内でないまぜになる。
どちらが本当の自分なのか、美柚にも判断がつかなかった。
真っ赤に充血した媚肉は淫らな悦びにひくつきながら、性具の丸くくびれた先端に吸いついていく。
碓氷の笑みが深くなる。
「なあ、気持ちいいんだろ? 純情そうな顔してるくせに、いつでもエロいことしか考えてないんだもんな、おまえは」
「そんな、わたし……あ、はぁっ……」
嫌なのに、こんなもの好きなはずがないのに。
でも、気持ちいいの。
欲しい、もっと欲しい。
もしかしたら自分の本性は、碓氷に言われた通りのいやらしい女なのかもしれない。
何人もの男に体を開いてきた、どうしようもない淫乱なのかもしれない。
わからない。
何が嘘で、何が真実なのか。
もう、どうなってもいいから。
もっと、もっと奥まで。
引きずり出された女の本能に、体の中枢を支配されていくようだった。
「こっち見ろよ、美柚」
「うぅっ……!」
肩のすぐ下あたりまで伸ばした黒髪を鷲掴みにされ、ぐっと後ろに引っ張られた。
心の奥底まで見透かすような碓氷の瞳が、すぐそばにある。
まるで金縛りに遭ったように、目をそらすことすらできなかった。
「いつもみたいに言えよ、オマ×コぐちょぐちょにされて気持ちいいって」
「う、碓氷くん、こわいよ……やめて、もうこんな」
「怖くなんかないだろう? そんな純情そうなふりしても、もう騙されないからな」
もう、絶対に騙されない。
碓氷は自分に言い聞かせるようにそう呟いた後、さらに深く性具を突き立ててきた。
「きゃああっ!」
「言えよ、ほら、はやく。その嘘つきな口で」
(本篇に続く)