【タイトル】
美処女陥落 淫らなお嬢様
【出版社】
オリオンブックス
【作者】
マイマイ
【あらすじ】
見られたくない。だけど、見てほしい。わたしの、いやらしいところ。相手が男でも女でも感じてしまう。いいの、気持ちいいの……。
体の中を流れる血液が、異常なスピードで巡っていく。子宮口が収縮し、ビクビクと痙攣している。敏感な肉体が貪欲さを増していく。
昇り詰めていく体は止めようもない。
家庭教師の瑛里は処女だったが、淫らなお嬢様のアリサから調教されるうち快楽に目覚める。
秘密を知られた警備員には処女を奪われ、女の絶頂を知ってしまう。
くちゅっ、くちゅっ、と粘りつくような音が鼓膜の奥に響いている。
まだ覚醒しきっていない意識の中に、しっとりと淫靡な空気が広がっていく。
両脚の間がじんじんするほど熱くて、なんだかくすぐったい。
誰のものともわからない真っ黒な手が、あの恥ずかしいところを撫でまわしている。
割れ目を押し開かれ、小さな膣穴にぐりぐりと太い指を捻じ込まれていく。
いや、こんなことされたくない。
助けて、やめて。
手足は鉛のように重く、叫ぼうとするのに口を開くこともできなかった。
あたりは暗く、人の気配はない。
頭の片隅で、これが夢だということはわかっている。
それなのに、秘部を弄られている感覚だけが妙にリアルだった。
じくん、じくん、と全身を震わせるような疼きが下腹の奥から湧き上がってくる。
自由にならないはずの体が、指の動きに操られるようにビクビクと跳ねた。
……どうしてこんなにおかしな夢を見ているんだろう。
ぼんやりとした記憶をたどる。
昨夜。
仕事が長引いて、真夜中になってからやっと部屋に戻って、それから。
思い出せない。
すごく息苦しい。
あん、あん、と誰かの声が聞こえる。
泣いているような、何かにすがろうとするような、頼りない女の声。
不規則なリズムで耳に届くそれが自分の声だと気付いたとき、桜木瑛里はハッとして目を開いた。
華やかなレースがふんだんにあしらわれた、天蓋つきの大きなベッドの上。
瑛里は両手と両足のそれぞれに手錠を掛けられ、四隅の支柱に鎖で繋がれた状態で仰向けに寝かされていた。
いつも綺麗に梳かしているはずの艶やかな栗色の髪が、ふわふわした枕の上に広がってくしゃくしゃに絡まっている。
華奢な首筋にはうっすらと汗が浮き、白くほっそりとした肢体を隠しているものは、肌の色が透けるほど薄いブラジャーと小さなパンティーだけだった。
どちらも下着としての役目はまったく果たしていない。
ささやかなふくらみを隠すブラジャーはカップの中央が縦に割れたデザインになっており、布の合わせ目から薄桃色の乳頭がのぞいている。
パンティーはT字型に細いリボン状のものを結んであるだけで、こうして脚を開かされた姿勢では陰部が丸見えになってしまう。
そして、股間には耐えがたい違和感があった。
夢の中でも感じていたあの疼き。
何かごつごつとした硬いものが、痺れるような快楽を伴って瑛里の奥深いところを突き上げてくる。
おそるおそる顔を上げて自身の股間に目をやると、そこには棒状のバイブレーターらしきものが押し込まれていた。
媚肉にみっちりと埋まり込んだ玩具が、潤んだ粘膜に微細な振動を伝えてくる。
しかも瑛里の下半身は、性具による責めを悦ぶようにいやらしくくねっていた。
あのくちゅくちゅという粘着音は、不自由な姿勢でありながらも、瑛里が腰を揺らせてバイブによる快感を愉しんでいた証拠だった。
「い、いやっ……!」
瑛里は切れ長の美しい目に涙を溜め、ふっくらとしたピンク色の唇を強く噛んだ。
ほんのりと桜色を帯びていた頬が、みるみるうちに真っ赤に染まっていく。
なんなの? どういうこと?
どうしてこんなことになっているのか、いくら考えてもわからなかった。
扇情的な下着も性具も瑛里のものではない。
もちろん、この豪華過ぎるベッドにも見覚えはない。
レースの向こう側からは、きらきらと明るい日差しが差し込んでくる。
いまが朝なのか昼なのか、ここが何処なのかもわからない。
何もかもが謎だらけだった。
……とにかく、はやく逃げなくちゃ。
仮にも教師の仕事を始めたばかりなのに。
こんな恥ずかしい姿、誰にも見られるわけにはいかない。
はやく、はやく。
ガチャガチャと手錠の鎖が派手な音を立てた。
気持ちは焦るのに、手足を拘束されたままではどうしようもない。
暴れた分だけ、手首や足首に金属の輪が擦れて肌が傷ついていくだけだった。
そうしている間にもバイブレーターは動きを止めず、瑛里の膣奥を責め苛んでいく。
弾力のあるシリコン製の棒が、敏感な肉襞を刺激し続けている。
それはまだ知らない男根の感触を思わせ、瑛里の官能に火をつけていく。
「あっ、あぁんっ……!」
ぎゅうっと太ももの内側に力を込め、左右の脚の付け根で玩具を締め付けるようにすると、突き抜けるような愉悦が皮膚の内側に染み渡っていく。
脳の中心が蕩けてしまいそうなほど気持ちいい。
下着の隙間から露出した乳頭はぷっくりと丸く屹立し、触れて欲しそうに乳房の頂点で震えている。
もしも両手が自由になるなら、いますぐにでも自分の指できつく捻り上げ、腫れあがるほど荒々しく弄りまわしたい。
もっと奥の奥まで思い切り玩具を突き立てたい。
そんなことを願う自分を恥じるのに、淫猥な欲望は後から後からとめどもなく湧き出してくる。
はあ、はあ、と息が乱れた。
透明なペディキュアを塗った爪先が細かく痙攣している。
あと少しで絶頂に達してしまいそうなのに、まだ足りない。
欲しい、もっと。
気持ちいいの。
こんな、わたし。
だめなのに、感じる。
拘束されながらも自慰に耽ろうとする自分への、罪悪感と嫌悪感が凄まじい。
性具に塞がれた穴から溢れ出して蜜液が、尻の下まで熱く濡らしていく。
「だめ、もう……だめえっ……!」
喘ぎ混じりの悲鳴がひときわ大きく放たれた直後、天蓋から下がったレースのカーテンがひらりと捲り上げられた。
「瑛里ちゃん、やっと起きたのね」
南城アリサは瑛里の姿を見ても顔色ひとつ変えることなく、にっこりと嬉しそうに微笑んだ。
目を覚ますのを楽しみに待ちかまえていたように。
アリサの姿を見た瞬間、瑛里の思考は停止した。
陽光にきらきらと輝くブロンドのロングヘア、角度によっては金色にも見える薄茶色の瞳が印象的な愛らしい顔。
白いというより透き通るような、シミひとつない美しい肌。
手足は驚くほどすらりと伸び、ウエストは瑛里よりもずっと細く見えるのに、バストとヒップだけが大きく発達した完璧なスタイル。
同じ百六十センチ程度の身長でも、瑛里とはまったくバランスが違う。
今日のアリサは、素肌の上に黒いベビードールだけを着けている。
薄過ぎる布地に薔薇の模様が刺繍されたもので丈が短く、ぷるりとした白桃のような尻が半分ほど露出していた。
大きく実ったふたつの果実を思わせるような乳房の先では、自己主張するように可愛らしい乳首がつんと尖っているのが見える。
ショーツはつけていないようで、ひらりひらりと揺れるランジェリーの裾からは、成長途中の少女のようにつるりとした秘所が透けている。
そんな娼婦のような格好であっても、アリサの生まれ持った優美さは少しも損なわれることがない。
二十五歳の瑛里よりも二つ年下のはずなのに、彼女の方が圧倒的に女性の魅力に溢れている。
誰もが見惚れるほどのルックスは、とんでもなく我儘で扱いにくい彼女の性格も覆い隠してしまう。
手錠や下着、それに玩具も、全部アリサがやったのだと思えば納得できる。
……お嬢様の皮を被ったニンフォマニア。
心の中で毒づきながら、瑛里は眩いほどのアリサの微笑から顔を背けた。
ぎしり、とベッドが軋んだ。
歯を食いしばってバイブレーターの刺激に耐えている瑛里に、アリサが四つん這いになってゆっくりと近づいてくる。
「瑛里ちゃん、どうしてこっち見てくれないの? ねえ、もしかして怒っちゃった?」
「あ……アリサ……」
もっと思い切り罵声を浴びせてやりたいのに、うまく声が出ない。
アリサは悪びれることなく瑛里の真横に寄り添い、ぴったりと甘えるように抱きついてくる。
「きっと睡眠薬が効き過ぎて、まだぼんやりしているのね。ここまで連れてきて着替えさせるの、すごく大変だったのよ」
「着替えって……こんな……」
「だって似合うと思ったんだもん。素敵なベッドに瑛里ちゃんを縛り付けて、エッチな格好させてみたかったの」
ベッドもオモチャも手錠も全部、瑛里ちゃんのために新しく買ったのよ。
ねえ、嬉しい?
アリサの楽しそうに笑う声が、瑛里の神経を逆なでしていく。
「な、なんなの……どういうつもりで……」
「えぇ? 退屈だったからよ。勉強しなさいって言うばっかりで、遊んでくれないから悪いんじゃない」
当たり前のことを聞かないで、とでも言いたげな口調。
すべすべした肌が触れる感触に、ぞくりと肌が粟立つ。
アリサの体は適度に筋肉がついているにも関わらず、引き締まった腕も大きく張り出した胸も、しっとりとしていて柔らかい。
こうしてくっついていると皮膚が吸い付き合うようで、頭がくらくらするほど心地良かった。
……だから、逃げられなかった。
アリサの罠に嵌り、何度も繰り返された過ち。
深夜の秘密の時間。
いけない、忘れなきゃ。
蘇りそうになった甘やかな記憶を振り払う。
「……名前で呼ばないで先生って呼びなさいって、お父様からも言われているでしょう? 手錠もはやく外しなさい」
意識して冷たい声を出したつもりだった。
それでもアリサは怯まない。
「なによ、偉そうに。このバイブ、ずいぶん気に入っていたみたいだったけど?」
こんなに小さなモノでも、処女の瑛里ちゃんには十分なのね。
くすっ、と馬鹿にしたような笑いが聞こえた。
アリサの細い指先が太ももをくすぐるように這いあがり、瑛里の局部に忍び寄ってくる。
嫌な予感に身が竦んだ。
「さ、触らないで! はやく手錠を外しなさいって言ってるでしょう!」
「うふふ、そんなエッチな格好でオモチャ突っ込まれながらお説教? ちっとも説得力ないわよ、センセイ」
アリサは瑛里の膣に挿入されている性具の根元をつかみ、左右に捻じりながら、さらに奥まで突き入れてきた。
バイブの表面にあしらわれた無数の突起に、ぐりっ、ぐりっ、と潤みきった肉の襞を掻きまわされていく。
どこか物足りなかった快感が、一瞬で臨界点まで引き上げられた。
「んっ……うっ……」
膣内にある一番感じやすいところが、力の加減もないままぐちゅりぐちゅりと擦られていく。
膣肉の表面から、じっとしていられないほどの愉悦がジュクジュクと染み出してくる。
いや、いや。
そこ、弱いのに。
気持ちいいっ……!
急激に高まっていく快楽に、腰が自然と浮き上がった。
叫び出しそうになる声を懸命に堪える。
肌の下が焼けるように熱い。
腹の中でくすぶっていた小さな火が、急激に勢いを増して燃え広がっていく。
「あらら、生徒の前でこんなにオ×ンコびしょびしょに濡らしていいと思ってるの? 少しも先生らしくないじゃない」
「やめて……やめなさい、アリサ……」
「まだ口のきき方がわかってないのね。気持ちイイことしてあげてるのに、お礼のひとつも言えないなんて」
(本篇に続く)