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未定第二部
推理リレー小説 - その他

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未定第二部 3

「…お…オマエ等…」バカ二匹のやたらと満足げな表情がなおさらムカつく。「大丈夫『あの程度』なら交通事故という形で処理できます」…ナビシートで何の悪気もなく言ってのける今泉祥吾…今泉兄弟に関しては、いつの間にそこにいたのか?と聞く気さえ失せてしまう。「それはヒミツです」
「何がヒミツだよ。大体、これだけ大勢で行動して、今回の仕事、少し変じゃないか?」
俺はナビシートの今泉を見るが、今泉はただ穏やかな顔で窓の外を眺めている。
「それもヒミツです」
そもそも、昔から俺はこの取り澄ました性格が嫌いだった。はっきり言ってほっぺをペンチでつねってやりたくなるほどだ。それがどういう訳か学生時代は御神酒徳利のように行動を共にしていた。
今泉がいつの間にか側にいた、というのが正しいのだが。
はたからはあいつらはゲイじゃないかとか噂され、またこの今泉という奴は否定をしやがらないのだ。
「畜生っ!俺はノーマルだあぁあっ!!」
「はい?何か言いましたか?」
にこにこふわふわと、本当につかみ所のない男…はいつの間にか女?になっていた。しかも葵とお揃いのゴスロリ調メイド服…。
ともあれ、俺達は指定された倉庫へ辿り着いたのだが、そこで待っている筈の相手が見あたらなかった。
辺りに人の気配は無く、俺は省吾の方へちらりと視線を送ったが、省吾は首をひねって応じる。
省吾が同行していて、場所や時間を間違える筈もなく、俺には胸騒ぎが感じられてならなかった。
壁に背中を預けてライフルを撫でる健、置かれた荷物に腰を下ろすお銀。省吾はじっと虚空を見つめ、俺はその側に立って闇に目を凝らす。
張りつめた空気の中、時間だけが無駄に過ぎていく。
「…どうも、誰も来ないみたいだな」
そう言ってライフルを下ろす健。
「そうですね、相手の予定が変わったのでしょう」
振り返った省吾は小さく溜息をつくと、健の言葉にそう応じた。
しかし、誰もが帰ろうとしたその時、何者かが倉庫の扉を開け放ち、こけつまろびつ飛び込んできた。
「今泉さん、逃げてくださいっ!奴等に裏をかかれましたぁっ!!」

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