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未定
推理リレー小説 - その他

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未定 7

それにしても、この女が一番わからない、少女とはまた違う意味で。てゆーか何屋さん?「殺し屋」はい…?「私を殺しに来たらしいんだけど倍のギャラ出すって言ったらあっさり…」プロとしてのプライドないんかこの女。
「ねえ、ジークヴァルト…」突然、少女はそう口走った。「はあ?」俺は思わず聞き返す。「好きに呼んで良いって言ったじゃない」「なんじゃそりゃあ!」「気に入らない?」少女はしれっと応じる。「あんなぁ俺、日本人やぞ」「それじゃあアルフレド」「人の話を聞けぇっ!」そこへ女が笑いを噛み殺しながら口を挟んできた。「鈴木誠司よりかは良い名前かもね」「どうしてその名を?」「私は依頼者の代理人よ」「むむ…」俺は、もはや何も言わないことにした。「ねえ、土下座右衛門、お腹空いた…」「誰が土下座右衛門やねんっ!」
「はぁ〜…俺が悪かったよ。誠司って呼んでくれ。」
(このまま、妙な名前で呼ばれるよりはましだからな…)
そんな言葉を心の底に押し込めつつ、俺は少女にそう言った。
「あなたってわがままね、さっきは適当に呼べとか言ってたくせに。」
俺は、自分の動悸が早くなるのを感じた。そして、必死に心の奥からくる破壊衝動を押さえ込む。
「とにかくだ、腹が減ったんなら空港で食事をすればいいだろ。俺はそこで残りの報酬をいただいておさらばだ」そう言うと俺はぐっとアクセルと踏み込んだ。物言わぬ荷物のありがたさが、今日は身にしみてよく分かる。「あら、残りの報酬は出ないわよ」「な、なんでやねん!?」「だって、私が残りの報酬を手配するはずだったんだけど、あなたがこの車に押し込んだんじゃない」女はそう言うと肩をすくめた。「残りの報酬が欲しければ、依頼者の所にこの子と行くしかないわよ」「な、な、な、なんやてぇえええっ!!!」
空港とは逆方向で、しかもまたさっきみたいな連中に襲われないとも限らない。「あたしもタマ代、経費で落として貰わないと…」この女を連れている限り、警察に追われる可能性もあるのだ。今回の依頼者のネットワークなら多少のトラブルは快く揉み消してくれる。違約金さえ払えば、だが。

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