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未定
推理リレー小説 - その他

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未定 33

マカロニウェスタンを彷彿させる寂しげな口笛と共に奴は現れた「おいおいおい…俺抜きで話を進めようなんて…」「構わん進めてくれ」俺は問答無用で拳を叩き込む。「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ…オラァ〜ッ!」ボグシャ〜…説明しよう『イエローボーイの健』六錠に雇われた不死身の三流脇役ガンマンだ。
ボロ雑巾と化した健に構わず祥吾は話を続けた。とりあえず俺は、近くにいたメイドにゴミ捨て場は何処かと尋ねる。
ゴミ用コンテナからはみ出す健のアフロ。ふと気が付いたのだが、健が現れると俺の体力や気力が妙に回復しているのだ。健に激しいまでの突っ込みを入れることによって、精神の安定が保たれ、心身共にリフレッシュしているのかもしれない。何にせよ、公主に受けたダメージはいつしか快復しており、イエローボーイ様々と言ったところか。まあ、だからといってあの暑苦しいアフロをそう何度も拝みたいとも思わないのだが…。
「何を拝みたいって?」…って、いるし。イエローボーイの健、お前はゾンビか…。
「おほん、そろそろ本題に入っても良いかな?」省吾は俺達の漫才にも嫌な顔ひとつせずに、軽く咳払いをしただけで改めてフォンに向かった。「我々桐山コンツェルンは企業の論理として貴重なエネルギー資源ををみすみす闇に葬ったりは出来ないのです。お亡くなりになられた肖星さんはお気の毒とは思いますが、我々としては技術の進歩を待つまで研究を凍結したと言うことだけでも精一杯の譲歩だと思っています。ですから、いくら遺産の正当な後継者である桜子さんといえども、それを破棄されようと言うのであれば、我々は鳳家と袂を分かたねばなりません。そこで、この際ですから、今、この場にいる方々には目をつぶってもらい、遺産相続は我等桐山の傀儡となってくれる方にしてもらおうかと…」そう言って、フォンを一瞥する省吾。「フォンさんが鳳家の後ろ盾を得て起こされた会社はかなり焦げ付いているとか…。その為には莫大な遺産が喉から手が出るほど欲しいと。そして、桐山は研究資料のみが必要、と言うのであれば、おのずと答えは見えていますよね…」

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