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未定
推理リレー小説 - その他

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未定 29

そこで、もう一度懐のトカレフを確認する…あれ?…これは…メイドイン…スロバキア?ぱちもん〈しかも珍しい!)じゃないか!さすが銀鈴!アホだ!…。 でも、純正より作りが細かい一級品と名高いスロバキア造兵しょうせいある意味、凄いぞブラックマーケット!やるな!銀鈴!…まぁ、いいか…。気を取り直して今やるべきことをしようか…。
セキュリティーを解除しながら地下室へと入ると、そこには鍵穴がまるで人型のようになっている奇妙な分厚い扉と、大きな真鍮の筒があった。筒の前には祭壇が設けられており、線香や紙銭が焚かれている。「この中で死んだ伯父様が眠っています。桜子さんの祖父に当たる人ですね。体液を全て抜かれ、冷凍保存されています。いわば、現代のミイラみたいなものですね」そう言って祭壇の前に立つフォン。そこへ、くたびれたコートを着た、大柄で屈強な男が姿を現した。「やぁ、梁警部」とフォン。「こいつらは?」と、いかつい男。
「どう表現したらいいのかは…少し困りマスガ、桜子さんのボディーガードという所デスかね。」まったくもってフォンという男は…。だが、警部の視線は俺の方向を見ながら何かを思い出そうとしているかのようだった。「…そうか!君は鈴誠の弟だろ。」俺は警部の発言をいぶかしみながらも一つの結論に達した。鈴誠とは、俺の兄さんである鈴木誠一郎のことであると。しかも、兄さんの話では警部と同じ名前の同級生がいたはずだ。
公主に飛虎の梁警部と言われたとき、どうしてそれを思い出さなかったのか…。
まあ、梁と言ってもよくある名前だからな。それは別として、どうしてその警部が此処にいるのか…。「梁警部は鳳家と古い付き合いなんです。肖星、紅月兄妹とも幼なじみなんですよ。それで、ちょっとここの警備をお願いしたんですよ」とフォン。「それで、公…いや、紅月さんが警部に会えと言ったのか…」俺は、別れ際に公主が言った言葉を思い出し、思わず呟いた。ところが、思わず口走った公主の名前に、梁警部の目の色が突然に変わる。「紅月ちゃんに会ったのか!?」物凄い力で俺の肩をつかむ梁警部。しかし、俺が驚いた顔をして梁警部を見ると、警部は我を取り戻し、手を離して小さく咳払いをした。興奮したせいか、心なしか顔が赤い。にしても、あの公主をちゃん付けで呼ぶとは…。

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