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未定
推理リレー小説 - その他

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未定 28

俺達はそれぞれ別室に入れられ、所持品検査などを受けた。俺の場合は特に何事もなかったのだが、銀鈴がまた大騒ぎをした。そして葵のところでも騒ぎが起こった。どうやらこの家の連中は葵を完全に女だと思い込んでいたらしい。「日本にもこういう方がいらっしゃるとは驚きでした。しかも、この国で見かける連中にもましてお美しい」と、フォンは汗を拭き拭き葵を賞賛した。「ともあれ、まずは地下の機密保存システムところに御案内しますよ」
地下室へ向かうまでの間、メイド(もちろん葵のコスプレとは違う本業)達の興奮冷めやらぬ眼差しが葵に集中しているのが気になった。フォン曰く、ボディチェックの際、メイドのひとりが葵をつかまえて『下着の中に大型拳銃を隠している』と騒ぎ出し、問答無用で押さえ付け『中身を確認』してしまったらしい…。
「あんなにお美しい姿をしていらっしゃって。しかも、あのように大きな物を持って…」
後ろから、興奮覚め遣らぬメイド達のヒソヒソ話が聞こえる。こんな話を聞いてると、昨日の夢(現実?)を思い出して、気持ち悪くなってくる。
葵のあの笑顔を思い出すと、おぞけがする。慣れてきたとはいえ、辛いものがある。こちらについてから銀鈴に都合してもらったトカレフが懐で俺を励ましてくれる。
銀鈴曰く、ブラックマーケットでみつけた掘り出し物。旧ソ連製メーカー純正品、だそうだ。しかし俺はあくまで運び屋、いつもならこんな物は必要ないのだが。おそらくそうも言ってられなくなるだろう…。そうこう 思案しているうちに、目的の場所へ着いた。

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