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未定
推理リレー小説 - その他

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未定 27

…葵が運転…?時すでに遅し。急発進、急カーブ、急ブレーキ。信号無視に高速道路逆走。隣にいる俺は車酔いどころか、腹の中でボブサップが暴れているようだ。銀鈴はあられもない格好でリアシートを転げ回り、健に至ってはすでに車外へ放り出されてしまったようだ…。小一時間後、車は激しくスピンしながら門の前に停止した。
門扉のインターホンで葵が何事か告げると、軋んだ音を立てて扉が開き、俺たちは車ごと中へと入った。鬱蒼とした森の中を走ること十数分、俺たちは大きな屋敷の前に辿り着いた。そして、俺達を出迎えてくれたのは、線の細い、長髪の美青年。「ようこそ, 鳳家へ。僕は肖星さんの従弟にあたるフォン・エドリックです」って、おまいは何人だ!?
「だいたいの事情は今泉さんから聞いてます…あれ?人数があわないみたいですが…?」…まあ、アイツの事だから死んじゃいないだろうが…どう答えていいのやら。
その時、爆音と共に迫って来るトラックが一台。「はーっはっはっはっはっ!」古紙回収車…どうやら後部座席から放り出された後、古新聞の山にダイブしたようだ。「西部一の伊達男いえろ…」どげしっ!バイトのあんちゃん達が、構わず荷台へ古新聞の束を放り込んでゆく…。
健はとうとう自己紹介する間もなく、古新聞と共に運び去られてしまった。「え〜、いまの方が山田健一さん?」フォンがスケジュール帳のような物をつけながら葵に尋ねた。「はい」ずいぶん地味な本名だなアイツ。「わかりました。一名欠席という事で処理しておきます。こちらへどうぞ…」あれで納得するとは…マイペースというか何というか…。

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