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未定
推理リレー小説 - その他

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未定 21

表で軽い騒音が起こった…。俺にはチンピラの喧嘩程度の認識しかなかったが、葵の反応が尋常ではない。つまり『そういう事』が起こったのだろう。それを起こしたであろう三名様ご来店。見覚えのある長身痩躯、黒尽め、紳士的な野獣。見覚えのない、『執事』以外の何者でもない老人。そしてそのふたりにエスコートされた女性…。
「‥公主様‥‥」
銀鈴の呟くような声‥それぞれが一瞬緊張の糸を張り巡らせる。
髪を短く刈り込んだ大柄な女性。ナチの女司令官を彷彿させる。年齢不詳、というよりも老化そのものが有りえないような気迫、そして余裕…。銀鈴は桜子暗殺依頼において『公主』と直接会っていないとは言っていたが、どうやら浅からぬ因縁がある様子。その人と知らず、その人の命令に背いてしまった、というような困惑が見てとれる。「後悔しても遅いよ子猫ちゃん?」と六錠。
「さあ、堅苦しい挨拶は抜きにして、食事を楽しみましょう」公主を名乗る女は、小宮一枝の声でそう告げた。銀鈴は萎縮したようだが、俺は遠慮などする気はなかった。他人に気を使おうがその他人が自分に何かをしてくれるわけではない。そしてなにより、飯に罪があるわけではない。俺は手近の物から好き放題箸をつけ始めた。「あなたのその性格、羨ましいわ」「男らしいですわ、先輩」「いわゆる欠食児童ね」
すくなくともドンパチやらかすムードではないのだから、これでいい。「そういえば…」葵が口を開いた。「先程の銃声は、貴方ですね?」そして『執事』に微笑みを送る。「はい、最近公主様にご無礼を働く輩が多いものでやむをえず…」ふ〜ん…って銃声…?「最近、程度のいい微声拳銃が手に入ったので早速、試してみました。」

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