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未定
推理リレー小説 - その他

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未定 19

一触即発の状況の中、オレたちはすでに包囲されていた。揃いも揃って、こ汚いジーパンに首まわりのダレたトレーナー姿のカメラ小僧ども…あのファッションは万国共通か…?「すげー、日本のレイヤーきてるよー銀鈴だよー」「ロベルタた〜ん」緊迫した空気はどこへやら。まんざらでもない二人は、カメ子のリクエストに視線を送りポーズをキメる…。
「取り敢えず、上着はこんな感じでどうかしら?」姿見の前に立つ俺に、桜子はそう訊ねた。「そう派手でもないし、丁度良い感じだ。なかなか良い見立てだな」俺がそう応じると、桜子は少しだけ小さな笑みを向けてくれた。「まあ、これで給仕に間違われることはないと思うわ」「そうだな、ありがとよ」俺はそう言って、桜子の頭を軽く叩いてやる。シニカルな応酬を予想していたのか、桜子は一瞬怪訝な顔をしたが、俺がさっさと精算を済ませ、店を出たので慌てて後をついてきた。「さ、それじゃ、海上皇宮に、楽しいお食事と行きますか」
「ロベルタた〜ん、こっち向いて〜。」
俺たちが店を出ると、気の抜けるような声が車のほうから聞こえてきた。まさか…
「お前ら、まだやってたんかい!」
車の前で、銀鈴達がカメ子とともに即席の撮影会を開いている…
オレと桜子とで2人を車まで引きずって行く。「フン…あなたなかなかやるわね?」「今日のところは引き分けという事にさせていただきます。」やたら満足げに、互いの勇姿?を称え合う銀鈴と葵。もう勝手にしてくれ…、呆れ半分にアクセルを踏み込む。めざすは公主とやらの待つ海上皇宮…。
「あんた、いつの間にスーツなんて買ったの?」
銀鈴が俺を見て問い掛ける。
「お前らが二人で遊んでるうちに桜子に仕立ててもらった。」
「え〜!私が仕立ててあげようと思ったのにぃ〜」
銀鈴がいかにも残念そうな声をあげる。…そんなに買物が好きなのか、こいつは?

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