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未定
推理リレー小説 - その他

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未定 16

一瞬、表情を強張らせる銀鈴。六錠は彼女の心に威圧感をゆっくりと染み渡らせると、大袈裟に肩をすくめて見せた。「メッセンジャーボーイがゴミ箱に放り込まれてしまったので、僕が代わりに公主の伝言を伝えるよ。公主は君達と会食を望んでおられる。今晩七時に海上皇宮に来てくれたまえ。…もちろん、主賓はそちらの小さなレディだがね…」六錠に視線を向けられ、露骨に嫌な顔をする桜子。しかし、六錠はまるで意に介さず、片手を振って優雅にその場を立ち去った。
「さて…どうする?今夜六時だとよ。あと、一時間ちょっとだが?。」
俺は呆然としている銀鈴と、嫌そうな顔をしている桜子に話しかける。
「どうするも、こうするも…」我に返った銀鈴が呟く。「取り敢えずショッピングよっ!」「はぁ?」俺は耳を疑った。「海上皇宮で食事をするのに、おかしな恰好は出来ないでしょう?」「お、おい、罠かも知れないんだぞ。それに、空港に迎えに来ている桐山の案内人はどうする?」「受け取る物(銃)を受け取って、速攻でショッピングよっ!!」呆れて首を横に振った時、桜子が俺の袖を引いているのに気が付いた。「私も、公主に会いたい…」
「自分の目で確かめたいの、私の進むべき道。私ひとりでは無理かもしれないけど。」生意気だ。どこまでも生意気な小娘だが、伊達に生意気な訳ではないらしい。「私自身は財閥のお人形でもなければ鍵とやらでもないの!」…ずいぶんとコイツも劇団がかってきたような…。しかし桜子の言わんとする事もわからんでもない。
「やっぱり、俺も行かなくちゃならないのか?」
俺は、一抹の期待を込めて聞いてみた。
『当たり前でしょ!運転手がいなくてどうするの!』
異口同音…やっぱり、俺も行かなきゃいけないらしい…

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