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未定
推理リレー小説 - その他

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未定 14

ほとんど専用機 であるにもかかわらず、挙動不信な銀鈴…。「銃〜、銃がない〜…」涙目で訴えるが、流石の桐山グループでも機内持ち込みまではどうにもならなかったらしい。「はいはい向こうについたら新しいの買ってあげまちからね〜」「くすん…本当?」…本当にいいのかこんなんで?
「ところでお銀、お前を雇った最初の人間は一体誰なんだ?」銀鈴と桜子のやりとりにうんざりしながらも、俺は銀鈴にそう訊ねた。「何よ土下座右衛門。そんな事訊いてどうするのよ」そう言って俺を睨み付ける銀鈴。「いや、少なくともお嬢ちゃんを狙っている人間が一人は分かるだろ」「最初の依頼人はよく知らないわ。代理の六錠って男が色々刺客を集めていたみたい。それが黒手袋した気障な男で、報償がなければ顔も見たくないって感じだったわ。…そう言えば、健と六錠が“公主”がどうとか言っていたから、依頼人は女じゃないかしら」
桜子を『鍵』として手に入れて、遺産をせしめよう、あるいはそのおこぼれにあやかろうという輩ならいくらでもいるだろう。が、わざわざ損をするような事をする勢力も存在するのだ。誰の手にも遺産が渡らないようにしている、ともとれるが…?
遺言の中身をあらかじめ知っていて、財産分与にあずかれないと分かっている者がそう言う過激な行動に出ていると言うことか、もしくは…。いずれにしても、向こうに着けば更に桜子争奪戦は加熱するだろう。俺に平安があるのは空の上にいる間だけと言うことだな。俺は大きく溜息をつくと、窓の外を見た。…眼下に雲海を眺めながら、いつしか深い眠りにつく俺。少しの間だけ、休ませてくれ……。
…少しだけの休息、本当に少しだけの休息だった…。「久しぶりだなぁお銀!」空港のロビーでオレ達を出迎えたのは、カウボーイハットに顔面ホータイぐるぐる巻きの男…。「誰?」男は構わず口上を続ける。「この俺様イエローボーイの健を忘れ…」オレとお銀は、健を両側から挟み込むように押さえつけ作業員用通路に引きずり込む。「ま?待て!」ドカ「…公主…」バキ「…伝言…」ボグ「………」オレと銀鈴は動かなくなった健をゴミ収集コンテナに放り込んだ。

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