PiPi's World 投稿小説

未定
推理リレー小説 - その他

の最初へ
 11
 13
の最後へ

未定 13

「‥何故そんなことを知っている?」
剣呑な眼差しを女に向ける。場の空気が氷った。
銀鈴は一瞬息を呑んだが、次の瞬間瞳に挑発的な光を宿し口を開いた。
「病気の妹がいる兄は、優しくてかっこいいって決まってるのよ!」
しばし、場を沈黙が支配する。
「確かにあなたはかっこよくも優しくもないわね。」
その沈黙を破ったのは、桜子のその一言だった。
「なめとんかコラァ!」銀鈴は知っていた。ふざけ半分に悪態をつく彼が天涯孤独の身である事を…。実のところ銀鈴自信も、そして今となっては桜子もまた同じ様な立場にある。似たモノ同志で強がりをぶつけあう奇妙なめぐりあいが、ひとつところにおさまっていた…。
空港までの道程は以外に順調だった。手柄をあせった先ほどの刺客も警察への対応で、それどころではなくなってしまったのかもしれない。余計な時間さえくわなければ、すでに国内での障害は皆無ともいえる。問題はその後だが…。
空港に着くと桐山の案内人が専用機に案内してくれた。当然ながら乗客は俺達三人だけで、広々とした機内の何処へでも座れた。俺は適当に雑誌を何冊かとると、席に腰を下ろして離陸を待つ。空港でもめ事もなかったし、空に上がってしまえばしばらくは安心できる。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す