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推理リレー小説 - サスペンス

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スクリーン 4

…女は独り黙々と机に向かっていた。ネットに接続されたパソコン、ドライバーやペンチその他…専門的な工具類、そして『血塗れの拳銃』。銃に関する知識は全く無かったが、自動車工場で働いているお陰で、機械の知識は人並み以上に身についた。それでもわからない事はサイトでちょくちょく調べれば良い…。


Re:大体、拳銃持ってりゃ勝てると思う事じたい堕落した卑屈な日本人の発想…
…アンタだって日本人だろ…
Re:ウィーバースタンス?本気で人間撃とうと思ったら射撃姿勢なんて…
…本気で人間撃った事ある訳…?
下らないBBSは軽く読み飛ばし、プリントアウトした分解図を見ながら分解整備を始める…。

スタームルガー22口径、インターネットの恩恵で手に入れたモノだ。一目で『拳銃』と判る地味なデザイン、手に馴染む良い銃だ。直径5mm程の小さなボタン状の部品…安全装置がOFFになった状態で固定されている。僅かに肉片をこびりつかせた人間の爪が、ほんの僅かな隙間に挾まっていた。そこを中心に、血糊がステンレスの地肌を汚していた。
顔を背け、憎々しげに爪を摘み上げ、そのピンセットごと屑篭へ放り込んだ。…少しは気が済んだのか、女は冷静さを取り戻し、分解したパーツを機械油で磨き始めた…

『…先生…ケータイ鳴ってますよ…』


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