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なつらぶ!
その他リレー小説 - コメディ

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なつらぶ! 8

潜入はあっさり上手くいってしまった。
「ところでつき」
「呼び捨て?」
「つきちゃん」
「げろげろー」
「つきさん」
「なに?」
女の子がげろげろーはどうかと。
「なつの部屋まで誰にも姿を見られずに行ける?」
「へぁ?お前えっちなことすんの?」
「確かに怪しいけど断じて違うっ!」
「いけるよ…私に任せな♪」
ようやく玄関に着き、ガチャリと玄関を開ける。
「おかえりなさいませ、つき様」
「うわ…失敗した…」
はえーよっ…!
「ごめんなさい!」
つきを出迎えてくれた執事っぽいオッサンは、つきのストレートに無残に散った。
「結果オーライだよね?」
「俺に聞くな」
こそこそと潜入し、見つからないようにしながらようやく2階に辿り着くことに成功した。
「やっと2階か。入る前から分かってたけど…広いな……」
「私の家だしね♪なつ姉なんてよく迷子になるよ?」
「で、そのなつ姉の部屋は?」
「こっち」
またこそこそと動く。怪しさMAXの二人だった。
「ここだよ、なつ姉ーっ、開けていいー?」
ドンドンとノックするつき。
「…………つき?」
ドアの向こう側からなつの声がした。
この声のトーンで酷い様子だということが分かった。
「おぅ…なつ姉に用がある人連れてきた」
「…………だれ?」
「…あ。そういえば名前聞いてなかったや。お兄さん、名前何て言うの?」
「繰亜…りく」
「狽閧ュっ…!?」
バンッと勢いよく開けられるドアに俺とつきが顔をぶつける。
「ぎゃ…!!」
「いでっ…!!」
「あ…ごめんなさい。えーと…つきとりく?えーと…?」
どうやら混乱してるらしい。
「つきちゃんがここまで連れてきてくれた」
「げろげろー」
「あ…そうなんだ…えーと?カエルの真似?」
そんな微妙なツッコミはいらない。
「とりあえず部屋に入っていいか?見つかるとまずいから」
「あ…うん…つき、ちょっと席を外して?」
「えろえろだー!ひゅう♪」
「ち、違うってばぁ…!!」
潜入とは思えない騒がしさだった。

なつの部屋は本当に女の子の部屋だった。ぬいぐるみがたくさんあり、年にしては幼い雰囲気がする。
「りくっ…ごめんなさいっ!」
「いや…いいよ。よく分からん展開に流された罰というか…俺のせいもあるから」
「違うよ…私のせいだよ」
「そうだ…半分はなつのせい!」
「ごめんなさい…」
「まぁ…あまり気にすんな。俺はなんともないんだから」
「ありがとう…」
なつの笑顔を久しぶりに見た気がした。
「えーと……これからどうするの?」
しまった。何も考えてなかった。
「あー…帰る、って言っても無理か…」
するとなつがモジモジとし始めた。
「と、泊まって…いく?」
よく分からない展開に頭がついていかない。

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