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なつらぶ!
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なつらぶ! 13

なつは俺に近寄りつきの頭を撫でた。
「つき、ごめんね……」
「起きてから言えよ」
「……うん」
「さて、どうすっかな……」
気付くと俺となつは黒服のオッサン達に囲まれていた。
ざっと五十人。
しかし津波家最強であるつきが倒れた今、黒服のオッサン達も俺に手を出せずにいる。
その中でも一番驚いているのはやはり父だった。
「つきが……私のつきが……負けた?」
「パパ!サーバントのテスト……だったよね?あのつきに勝ったんだよ?これはもう認めるしかないよねっ!」
「ぐっ…いいだろう。サーバントは認めてやる。だがな!彼氏は認めんぞ!」
「うん、だって本当は彼氏じゃないから…ね?」
「……あぁ…」
一帯が凍り付く。
父に関しては白目をむいている。
なつは「えへへ…」なんて言いながら笑って誤魔化そうとしていた。
「かれひ…じゃ…らいの…?」
もはや父は灰になっていた。
この騒ぎはいったいなんだったんだ、という空気に包まれる。
そしてまたなつは「あはは…」なんて誤魔化そうとしていたが、今回ばかりは説教部屋に連れていかれたのだった。
うん、自業自得。

二日後、俺は正式に津波なつのサーバントになった。
正式にって言っても別に儀式とかするわけでなく、紙に必要事項を書いて終了という感じだった。
ただ自分の名前を書くだけのことに一時間もかかってしまったのは、隣りにずっと笑顔のつきがいて、絶えず
「手がすべったー」
とか
「地震だー」
とか妨害行動をしていたからである。
最終的になつがつきを抱き締めながら止めてくれたおかげでやっとサーバントになれた。
「よろしくね、りく♪」
「はいはい、よろしく」
「テンションサゲサゲだぁ……」
「つき…ごめんね?」
「……なつ姉が選んだんだから、仕方ないよ…」
「仕方ないとか言いながら殴りにくんな」
なんて、津波なつのサーバントとしての生活が始まった。


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