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なつらぶ!
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なつらぶ! 3

黒服の男は名探偵かのごとく続けてこう言った。
「ふっ…お嬢様…これでその男が下着の色を知らなかったら…嘘となりますよね?」
「それは……」
彼女に苦悶の表情が走る。
黒服のオッサン達はその男の名推理に賛同する。
「さて答えていただきましょうか!一言だけ発言を許可します…さぁ…お嬢様の下着の色は!?」
勝ち誇る顔をする黒服のオッサン。
もうダメかと俯く彼女。
そして…ニヤリと不敵な笑みをこぼす俺がいた。

「純白」

黒服のオッサンは彼女を見た。
彼女は顔を真っ赤にしてコクリと頷いた。
男だらけだったので確かめることもできなかった。
十分後、俺は彼女の家に向かう車に乗っていた。

もう一時間は車の中にいた。
窓から見える風景は始めは市街地を走っていたが、既にどこかも分からぬ場所になっていた。
車内には運転手と彼女と俺だけで、運転手は黒服の男ではなく、専用の運転手のようだ。
黒服のオッサン達は俺らが乗っている車の後ろに連なる形で走っている三台の車に乗っていた。
「で…どういうことなんだ?」
そろそろ真相に辿り着きたいところである。
自分から巻き込まれた点においてはこれっぽっちも反論はできないわけであるが、明らかに最初に巻き込もうとしたのは彼女からであり、この状況を作ったのも彼女の意思である。
というか車で一時間なんて歩きで帰れるレベルじゃないから帰りはちゃんとあの公園まで車で送ってくれるのか心配で仕方がなかった。
それを含め、彼女とはしっかり話し合うべきだ!
「……それよりも」
「ん」
「私の……いつ見たの?」
頬を赤らめた。
すげぇ可愛い!
「……見たって何が?」
ドSでした。
「え!?…えーと……下着…」
「え……何て言った?もっと大きい声で言ってくれ」
「し、下着!どこで見たの!?」
「あぁ…下着ね?あれ…演技じゃなかったのか?俺はあてずっぽうで……」
「…!……え、演技です!演技だけど、どこで見たの!?」
意味が不明だった。
「見てないって……」
「本当に!?……誓う?」
「純白に誓う」
「見られたんだ……」
ハハハ…、と遠くを見る彼女だった。

「それで、本題なんだけど」
「お嫁にいけない……」
チョップ。
「痛いっ!」
「それで、本題なんだけど」
「んぅ?あー…ごめんね、巻き込んじゃって」
ニパッと笑顔で言う彼女。
「そうだよね、とりあえず自己紹介から。私はなつ。津波なつ(ツナミナツ)。特技は暗算。趣味は家出♪」
「三百四十九×二千八十二は?」
「七十二万六千六百十八っ!」
「…………いや、分からんけど」
当たってたら凄い…というか自分が出した問題の数字すら忘れていた。
そして趣味はスルー必須で。
「それで君は?」
「あぁ…名前は…繰亜りく(クリアリク)。特技は喧嘩。趣味も喧嘩」
「喧嘩はダメだよ!」
「……分かった。もうしない」
「よろしい!」

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