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家族の絆
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家族の絆 10

ザッ、ザッ、ザッ…
包丁だった。
それは地面に突き刺さり、見事にコードというコードは断線していた。
「ゲームも休み休みやりなさい…」
台所にいて姿が見えぬ母は、ただそう言い放った。
…………………。
「俺…新しいケーブル買ってくる」
「兄ちゃん、待って!!僕も…!!」
「わ、私も行くわよ。割り勘にしましょ…」
何故か三人は仲良くなった。

世界は広いようで狭いものである。
ここでもまた一つ…出会いが生まれた。
「あっつー…晃…私…あいす…食べたいな」
「静香の真似すんな」
「つれねぇなぁ…」
一人目は俺の友達、勝。
そしてもう一人は…
「コンチハー!!」
お隣りのマルクさんである。
「すっげぇ!!外国人だ!!」
はしゃぐ勝。あと失礼だ。
「フフフー、実ハ宇宙人デース!!」
「すっげぇ!!」
自己紹介もせずに話をしている二人。
実はこの二人、最高に相性がいいのでは…?
「宇宙のどっから来たんですか…?」
「…オー、ソレ教エタラ君、殺サレルネ」
「こえっ!!」
「君ハ地球人カナ?」
「そうですけど…」
「本当ニ?自信アンノカ?」
「そう言われれば…」
「君ハ恐ラク…人間ジャナイ!!」
「やはりな…」
納得すんな。
俺は二人が盛り上がっている後ろで一人で携帯をいじってた。
「オー!?ユーノフレンド危ナイ!!」
「え…?」
「アノ携帯ノ決定ボタンハ、宇宙戦争ノ始マリヲ告ゲル合図ネ!!」
「マジで!?」
「彼カラ携帯ヲ奪エ!!」
「らじゃー!!」
勝が俺に向かって走って来る。俺はタックルを右に避けて、そのまま蹴りを入れた。
「いてぇ…!!」
「うるさい」
「貴様…地球育チノ野菜人カ!?」
「人違いっす」
あと野菜じゃないっす。
「勝、飽きたら俺の部屋に来て」
「くっ…クリリ…ぐはっ!?」
「黙れ」
結局、勝は俺の部屋に来ることは無かった。

カチカチッ…
部屋で不気味なクリック音。その音は間違いなく俺が握っているマウスから出ている。
この前、姉さんから…
「このゲーム、面白いわよ♪」
と言われて、暇なのでやってみる。
タイトルは…
『人間遊び』
…………ホラーですか?
確かに姉さんが好きそうなタイトルである。
NEW GAMEをクリックする。
面妖なサウンドが流れて来る。どうやらRPGらしい。RPGといえば自分を強くしていき、最後に魔王を倒すという単純かつ奥が深いジャンルである。
「貴方は選ばれた勇者なのです。どうぞこの国をお助けくださいませ」
ベタな設定だった。
しかしここで選択肢が出る。
・分かりました
・嫌です
………『嫌です』をクリック。
「ふむ…そうか…すまない、他をあたるよ」
老人は去っていった。
次に町を歩いているといきなり女性とぶつかった。
「いったーい!!何すんのよ!!」
選択肢が出る。
・あ…ごめんな…?
・お前がぶつかってきたんだろ
………『あ…ごめんな…?』をクリック。
「ごめんで済むわけ無いでしょう!!お詫びとして…この国をお助けくださいませ」
さっきの老人だった!!

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