家族の絆 20
夕陽の中、手を繋ぎながら帰った時と同じように静香は「幸せ」という言葉を使った。
しかし、今回の静香は前のような不安な様子も無く、むしろ決まっている答えを待っているかのようだった。
俺は今から言う言葉を噛み締めるように、そして彼女だけではなく、いろんな人に聞かせるように言った。
「あぁ…他に何もいらないくらい幸せ」
静香はそう言った俺に笑顔を向けて応えてくれた。
きっとこれから様々な苦難が差し掛かるだろう。でも…家族と彼女と親友さえいれば乗り越えれると思う。いや…乗り越えていく。
みんなといっしょに…
導き出した答えは変わらない。ただ今は今を幸せに、未来を幸せに過ごせるよう、昨日よりも楽しく過ごそう。
不安なんて少しも無い。
憂いなんて少しも無い。
不幸なんて全く無い。
この青空のように、霞むところなんて全く無い。
みんながいる限り……
俺達は助け合いながら幸せを掴んでいく。
fin