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家族の絆
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家族の絆 11

一回目と同じ選択をクリック。
「ふむ…これでもダメか…」
老人は去っていった。
今度は酒場に行き、カウンターに座り、マスターと話をした。
・キツいのを…
・あんた、老人だろ… 
………『あんた、老人だろ…』をクリック。
「ふむ…バレたか…その変わりに…この国をお助けくださいませ」
なんの変わりだ。
俺はゲームを止めようとし、タイトルに戻った。
人間遊び…
確かに遊ばれていた。
ふとドアを見ると姉が俺の部屋を覗いていた。
「ふふん…だっさー」
そう言うと姉はドアを閉めた。
俺は『人間遊び』でネット検索をした。
何件かひっかかり、そのうち一つの掲示板サイトを見てみる。

・人間遊びっていうんだけど、最悪なゲームなんだよねー!!買って損した!!
・このゲームは非常につまらない。まだオセロのほうがハマる。
・プレイ一時間でディスク割った。

評価は最悪だった。
やはりあの女の言うことは信用してはならぬ。
三上美佳…名前がミとカで構成されてるやつ。ただ今、大学生。中学校ではアウトローミカというニックネームが付けられていた。わりと美人のため男がよってくる。
その度に餌食。
まさにアリジゴクならぬオトコジゴク。
ブツッ…
突然、部屋が真っ暗になった。もちろんパソコンも動いてはいない。
暗闇の中、俺のではない声が聞こえた。
「ちなみに私は全クリしたわ…」
姉さんだった。
姉さんは自ら家のブレーカーを落とすという暴挙を行ったらしい。
その被害は甚大で、隣りの部屋でゲームをやってた暖はセーブをしてなかったために二時間あまりの時間を無駄にされ、母は録画しておいたテレビが途中までしか録れて無かった。
ただ俺への嫌がらせのために、三日間家族に嫌われた姉さん。
ガキか…。

コンコン…
「兄ちゃん?」
「入っていいぞー」
夜中、暖が俺の部屋に訪ねてきた。
「ゲームならやらねーぞ?」
「うん…今日はゲームじゃなくて相談が…」
「お…もしかして…恋愛相談かっ!?」
「………………」
あ…やべ、マジだったか。
「あー、それで?」
「うん…好きな女の子がいるんだ」
「名前は…?」
「分からない…」
「なるほどな…一目惚れか」
俺にも…というより誰にも経験があることだと思う。一瞬、相手を見ただけで胸が苦しくなり、ずっと気になってしまう。
暖は今、そんな状態なのだろう…。
「隣りのクラスの子なんだけど…帰る方向同じらしくて、よく会うんだ」
「隣りのクラスの子なら名前くらい自分で調べろよ」
「だってぇ…」
「とりあえず…俺に相談するのは、その子の名前が分かって、暖と少しでも友達になってからだな」
「うん…分かった…」
トボトボと暖がドアに近付く。
「自分でやらなきゃ…前に進まないからな?」
「うん…」
バタッ…
暖がドアを閉めてから、少し厳し過ぎたかな…と思った。

次の日
コンコン…
「兄ちゃん、入るよ?」
「おう」
また暖が俺の部屋に来た。
「名前…分かったか?」
「うん…山崎美奈ちゃん」
どっかで聞いたことがあるよーな、ないよーな…。

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