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家族の絆
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家族の絆 8

「なら早く言いなさい♪」
「なんだっていいじゃんかよ…」
「暖だって気になるでしょ?」
「え…う、うん」
「お母さんは?」
「私は別に…」
母さんは機嫌が悪かった。
「ほら…早く…♪」
「多分…静香と帰ってきたから…」
「ふーん…♪それだけ?」
「それだけ…」
「嘘おっしゃい♪」
姉さんが唐揚げをパクリ…俺の。
「あっ!?また…!!」
「正直に…♪」
「もう言った」
姉さんは、面白くなーい…とか言ってご飯を食べ終え部屋に行った。
「…ったく。ふざけんじゃねっての」
「兄ちゃん…」
「ん…?」
「恋愛…楽しい?」
「へ…?そ、それは…それなりに…」
「ふぅん…」
パクパクと食事を再開するが、暖はなにか落ち着かない様子だった。
「お前…どうしたの?」
「え…なにが?」
「いや…好きな子でもできたの?」
「そ、そんなことないよ!!」
図星か…。
「どんな子?」
「違うって〜…」
「…ま…相談は姉さんより俺にしとけ」
耳元で、男同士だし…と小声で付け加えた。
「うん…分かった」

「君も…この家に用事?」
「うん…でも誰も居ない」
「そう…じゃあ私と一緒に待とうか…?」
「うん」
ついに同じ雰囲気を持つ二人が出会った。
「君の名前は…?」
「今野冷…お姉さんは…静香さん…?」
「…うん。どうして…知ってるの?」
「暖に聞いたんです…晃さんの…彼女だって」
「そう…林静香…よろしくね…」
「よ、よろしくお願いします」
静香の微笑みに冷は少し戸惑ったような表情をする。
「あ…あれ…かな?」
静香が指を差す方向には三上家の車があった。
家の駐車場に停めた車から一家四人が出て来る。
「あら…珍しい組み合わせ」
「ごめん…静香、遅れちまった!!」
「うん…大丈夫。冷君もいたし」
「あれ…?冷君も暖に用事?」
「はい…」
「さ…二人とも家にあがってください…♪」
一気に人口密度が高くなる三上家。
この日を境に冷と晃と静香が三角関係になったことは、まだ冷すらも知らなかった。

夕食を終えて夜八時…
「みんな暇?暇ならゲームやりましょっ♪」
という姉さんの一言でゲーム大会になった。
「どれやるのー?」
「レースのやつでいいじゃない♪」
レースゲーム…ただ一番を目指すという単純かつ難しいゲームである。
「お母さんもやらない?」
「簡単なの…?」
「楽勝よ♪」
母が参戦した。
暖が母さんにいろいろ操作方法を教える。
しかし、このゲームは操作方法だけ分かってもなかなか一番にはなれない。
それは経験によって分かるコツ、アイテムや重要なところのタイミング。これらが勝負を大きく左右するのだ。
俺は小回りがきく軽量型タイプにした。暖と母さんは平均型タイプ。姉さんは何故か重量型タイプにした。
「コースはどこにする?」
「最初だから簡単なのでいいでしょ」
特に急なカーブが無い、平凡なコースになった。
3、2、1…スタート!!
………………。
結果…暖、姉さん、俺、母さんの順番でゴールした。
「ふふん…♪」
よっぽど嬉しいのかアホ姉。

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