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家族の絆
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家族の絆 6

「まぁ、とりあえず…家にエスケイプが無難です」
「分かった…1、2の3な?」
「はい」
1、2の…3!!
バッ…!!!!
「オーマイガー!!逃ゲンナコンチクショー!!」
相変わらずうるさかった。
「晃君、ありがとう」
「いえいえ…きっと姉さんは部屋ですよ」
「そうか…すまない。じゃあお母さんに挨拶をしてくるよ」
仁さんは母さんの元に行った。仁さんだけはまともな人間なので普通に接することができる。どこかのエロゲーやる人とは大違いである。
その日は早めに寝る事にした。

日曜日が過ぎ、月曜日。
学校に向かって歩いていると勝に会った。
「はよ…」
「おぅ……」
勝は一枚のイラストが書かれている絵をずっと見ている。
「…何してんの?」
「……………………」
どうやら真剣なご様子。何事かとそのイラストをみる。その絵には金魚が縦横に並べて描かれている。
「見えた…?」
「いや…今、頑張ってる」
「貸してみ…こーゆーのは一回…至近距離で見て…徐々に離して…いくと…おおぉぉぉ…すげぇ…」
「なっ!?なんだった…!?」
「言っていいの?」
「ダメ」
また見始める勝。
「き、金魚しか見えん…」
「お前、アホな」
「待て…!!」
待つ事十秒。
「きたきたきたきた…!!!!」
「見えたか?」
「おぅ!!」
「で…何だった?」
何故か勝はニヤリと笑った。
「お前…実は見えなかったんだろ?俺に聞こうとしても無駄だぜっ!!」
一人で盛り上がっているのか勝はムフフと笑っている。
「いや…見えたけど…?」
「またまたぁ〜。その作戦は俺に効かないぜ!!」
どの作戦だ?
「あそ…じゃあいいよ」
「やっぱり見えてないんだろ〜」
学校に着く。
「まぁ…教えてやらなくてもいいが…」
「何だった?」
「全裸の女」
本当は鳥。
「へー…すっげぇな?」
「ああ…金魚から全裸の女だぜ?ありえねぇよ…カオスだよ…」
「カオスだが、オメガだがよく知らんが…朝から元気出てんな?」
「あぁ!!俺…もう一回見るよ!!ちなみにお前にはもう見せてやらないからな?」
「いいよ…一人で楽しんでくれ」
鳥を。
ワッホーイと奇声を上げながら勝は絵をじっと見ている。
「すっげぇ!!動いた…動いたぜっ…!!」
「そんなポーズ…うおっ!!」
「え…エロ過ぎるぅ…!!」
上機嫌である。
「面白いか…?」
「やべーよ…やべーよ…」
お前がやばい。
「…どんな女だ?」
「名前をキャサリンという」
名前までついていた。
「外国人なのか?」
「あぁ…スタイルすげー」
「どんくらい?」
「あー…うわわっ…!!」
夢中である。
その後、勝は何も言わずに一分間じっと絵を見ていた。
すると…
「やべーよ…俺…恋した」
「何に?」
「キャサリン…」
真顔だった。
俺は勝の肩を掴んだ。
「応援するっ…!!」
「ありがとうっ!!!!」
彼は満面の笑みだった。
…………………。
「ちなみにそれ…鳥な」
「キャサリン…はぁはぁ…」
何もかも手遅れだった。

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