PiPi's World 投稿小説

家族の絆
その他リレー小説 - コメディ

の最初へ
 2
 4
の最後へ

家族の絆 4

「…何してんだよ」
「晃の真似…♪」
「おはようございます…」
「おはよう、静香ちゃん♪」
ストーカー被害にあっている姉を置いといて家に入る。
「あら♪静香ちゃん…♪」
「おはようございます…」
「どこであったの…?」
「ん…公園で偶然に」
「あらー♪それはそれは♪」
「暖は?」
「まだ寝てるわ♪」
「じゃ起こしに行く。静香…こっち」
静香を手招きして2階に行く。暖の部屋に入ると、暖はグースカ幸せそうに寝ていた。
「仕方ねぇな…」
暖の机から国語辞典を取り出す。暖の腹の上に落ちるように辞典を持つ。
「晃…何を…?」
「暖を起こすんだけど…?」
「その起こし方は…ひどい」
静香は基本的に争い事が嫌いなので、こうゆうことは嫌がる。
「だって普通に起こしても…」
「じゃあ…私が…」
静香が暖を起こすらしい。
てか、それは暖の前に俺にやって欲しいんですけど…。
「暖君…暖君…?」
「待って兄ちゃん…ゲーム壊さないで…」
奇妙な寝言が気になるのか静香は難しい顔をしてこちらに振り向いた。
「後で…事情聴取…」
「………はい」
暖と向き合った静香は暖の体を揺する。
「暖君……?」
「んー…もぉ朝ぁ…?」
「もう7時…」
「まだ寝れるよぉ…」
「朝ご飯…あるから」
「いらない〜…」
………………。
いや…どうしようって感じで俺を見られても…。
「少し強く起こしたらいいんじゃない」
「分かった…」
もう一度、暖に向き合う静香。
「暖君…暖君…!!」
おぉ…暖の体が揺れに揺れてる。
うわっ…首がガクンガクン……うわっ…うわっ…!!
「暖君…起きて…」
「もぉ…なんなんだよぉ…!!」
ガバリ
暖、起床…少しキレ気味。
「おはよう…」
「はよー」
「おはよう…ご、ざます」
おー…暖め、テンパってる。
テンパり過ぎて、どこかの外国人みたいな喋り方になっているぞ。
「静…香…姉ちゃん…?」
「暖…年上に、しかも身内じゃない人にその喋り方は無いナー。静香は傷ついちゃったらしいヨー」
愉快犯な俺。
「あっ…その……ごめんなさい、静香さん…!!」
「大丈夫…気にしないで…」
暖に微笑みかける静香。その瞬間、暖はどこか安心した表情になった。
「よかったネー、静香に感謝するんだゾー」
と俺がギャハギャハ笑っていたら静香が怖い顔をしてた。
「晃…」
「…はい」
「別れたい…私…暖君と付き合う」
えっ!?、と暖が叫ぶ。
「む…それは困る」
「だったら…」
「じゃあ…別れるか…」
「え……」
今度は静香の驚きの声。よっぽど意外だったのか動揺を隠せないでいる。
「兄ちゃん…?」
チラリと暖を見る。てか睨む。口を挟むな、というアイコンタクトである。
「静香は俺が嫌いになったんだろ?そんで暖のことが好きになったんだろ?静香に嫌われるのは悲しいけど…仕方ないよ…。俺は静香のことが好きなのにな…」
やべ…演劇部入れる俺。
「え…その…晃…」
「静香…短い間だったけど楽しかった…。暖と幸せになれよ」
じゃ、と背を向けながら手を挙げる。

SNSでこの小説を紹介

コメディの他のリレー小説

こちらから小説を探す