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家族の絆
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家族の絆 17

「違うのか…?」
「違うんだなー…俺はハイエナじゃなくてウルフよ…!!」
違いがよく分からなかった。
昼休み、放送で呼ばれた。
勝が怒られるぞ、と言っていたが心当たりは無い。静香を待たせてるから早く済ませたかった。
「失礼します…」
「晃…!!」
担任が俺を呼んだ。声量の大きさから…怒られることを直感した。
でも…違った。
「親御さんから電話だ…!!早く出なさい!!」
携帯に掛ければいいのに…と思いつつ電話に出た。
「もしもし…」
「晃…!!」
姉さんの声だった。
「暖が…暖が…交通事故に…!!」
「…………え…マジ…?」
「マジよっ!?とりあえず早く帰ってきて…!!」
「あ、ああ!!分かった!!」
荒々しく電話を置く。
「先生…」
「事情は分かっている。早く行きなさい」
「……すいませんっ!!」
教室へ走る。もはや鞄なんてどうでもいいが、静香に一言言わなければならない。
ダンッ…!!
教室についた。
「…晃……?」
「おい…お前顔白いぞ…?」
静香と勝がすぐ異変に気付いた。
「帰る…暖が事故った」
「「え…!?」」
「悪い静香…一緒にメシ食えねぇ」
「そ、そんなの…いいから早く…」
「…ごめんっ…!!」
鞄を持ち、教室を後にした。

「暖はっ…!?」
「病院!!晃が来るのを待ってたんだから早く行くよっ!!」
家に着くと姉さん一人だけだった。父さんと母さんは病院らしい。
部屋に行き、着替える…が、焦って思い通りにいかない。
「くそっ…!!いつもは…」
その時、ブーブー…っとマナーモードを解除し忘れた携帯が震えた。
静香からのメールだった。

「落ち着いて…まず深呼吸…大丈夫だから」

深呼吸する。
そして…すっかり落ち着きを取り戻すことができた。
着替え終えて、居間に行く。するとそこにはめちゃくちゃ焦ってる姉さんがいた。
そう…せめて俺だけは落ち着いてないと…

「サンキュ…助かった。今から園崎病院に行く。暖の容体は後で」

と静香にメールを送る。
さて…俺はこれから始まる地獄のドライブに覚悟して臨もう。

「あ…メール返ってきた」
「なぬ?それで…なんと」
「うん…やっぱり焦ってたね…それと…園崎病院だって」
「そうか…」
晃が学校を去った後、勝と静香は二人で心配をしていた。
「暖君……」
「なぁに大丈夫だって!!暖はいっつも事故ってるから」
「え…そうなの…?」
「あぁ…二年前もな。こうゆうことがあったんだよ。あの時もあいつは慌ててな。俺が止めてなきゃ、あいつは自分で車を運転して病院に行ってた。あの慌てようじゃ途中であいつも事故ってたな」
「晃…周りを見失うタイプ…?」
「そう。そして…俺も…」
勝は鞄を持った。
「私も…行く」
「へ…?俺がどこに行くと思って…」
静香も鞄を持つ。
「私も…病院に行く」
「結局、三人似たもの同士かよ…!!」
二人は学校から出た。

「ね、姉さん!!右…!!」
「うっそ…!?そうだっけ…!?」

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