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家族の絆
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家族の絆 15

姉さんの顔を見る。
チョロいな、って顔をしていた。
結局、父さんが来ても姉さんは何も変わらず、むしろ認められたような感じになってしまった。

「…静香さんが好き」
凍った。まさに彼の名前、冷のように冷たく凍った。
逆上ること2時間前…
冷君が家に遊びにきた。俺は静香がいたので、部屋にいた。
隣りの部屋からはゲームの音。
「うるさくてごめんな…?」
「うん…大丈夫」
みたいな会話をしていたら、突然ゲームの音が止んだ。
コンコンとノック音。暖かと思い、適当に返事をしたら…
冷君だった。

「来た…」
「うん…上がって」
暖の家に遊びに来た。
「なにやる?」
「……格闘の」
「好きだよねー」
ピコピコと変わらずにゲームは始まった。
「あ…隣りに兄ちゃんの彼女。前、話したよね?静香さんがいるから音、少なめね」
「うん…」
隣りには静香さんが来ているらしい。
「ねぇ…」
「何…?」
「前に好きな女の子がいるって言ったじゃん」
「うん…」
「こ、告白…してみたんだ…」
ゲームに夢中になってテレビの画面しか見てないが、暖の顔は今、赤くなっているのだろう。
それにしても暖がそんな積極的とは思わなかった。
「それで…?」
「んー…ダメだった」
「そう……」
ピコピコとゲームの音しか聞こえなくなった。
「ねぇ…なんか言ってよ」
暖がしびれを切らした。
「…どんまい」
「それだけー?」
「…どうすればいいか…分からないから」
「うーん…冷も好きな女の子に告白したら面白いのに」

「うーん…冷も好きな女の子に告白したら面白いのに」
「うん…分かった」
ピコピコとまたゲームをする。
分かった…って冷は言った。何が分かったのだろう…?
「好きな女の子…いたの?」
「うん…」
「誰ー……?」
「このゲームが終わったら…分かる」
誰だろう……
「適当に言ったでしょ…?」
「………違う」
その後、二人は無言でゲームに没頭し、ゲームを終えた。
「じゃあ…行って来る…」
冷はそれだけを言って、部屋から出た。
「あ…れ、冷…?」
冷はそのまま兄ちゃんの部屋をノックし、扉を開けた瞬間にこう言った。
「…静香さんが好き」

今、俺の部屋には…俺と静香と冷君が仲良く正座をしている。
暖はと言うと…
「修羅場だね…!!」
とかなんとか言って、部屋に戻った。もちろん壁に耳を近付けているに違いない。
せめて、この微妙な空気をどうにかしたいのだが…
「晃……席外して」
「え…ここ俺の部屋だけど…?」
「お願い……」
「分かった…」
おずおずと部屋から出て暖の部屋に行く。
案の定、耳を壁に近付けていた。
「コラ…」
げしっ…
「いってぇ!!何すん…だよ…って、兄ちゃん?」
「盗み聞きするな」
「なんでここにいるの?」
「外された。二人で話したいんじゃねーのか?」
「ふぅん…ゲーム、する?」
気になってゲームどころじゃねぇよ…何考えてんだよ、この馬鹿弟は。
「やらねーよ」
「やっぱり気になるんだ…?」

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