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俺の守り神
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俺の守り神 10

「あれ〜?」
美雷は首をかしげている。うまくいかなかった、とでも言いたそうだった。
「ミナ、この水の膜は…?」
「ああ、これ優のことを自動で守るから♪後は私に任せて♪」
「えっ…?」
と言った瞬間…隣りにいたミナが融けた。今までのミナが水だったのかのようにバシャン…と大きな音と共に。
これには美雷も驚いたらしく、水になったミナを注意深く見ていたが…
いつの間にか美雷の後ろにいるミナには俺しか気付いていなかった。
刹那…
物凄い勢いで美雷の体が吹っ飛び、ガシャンと美雷がフェンスに叩き付けられた音が震えた。
「強っ…」
美雷からも先程までの笑顔は消え、苦痛の表情を浮かべている。
「くっ…や、やりますね〜」
「貴女とは格が違うのよ」
コツコツと美雷に近付くミナ。美雷はもう動けない様子である。
「悪いけど封印させてもらうわ」
ガサゴソと動けなくなった美雷の服の中に手を入れるミナ。
「み、ミナ…?」
「あった、あった…優!!これ読んで!!」
ヒュッと俺に投げられたのは…
「巻き物…?」
「いいから、早く読んで」
「ああ…ネルヒムカ…」
と言った瞬間。美雷の体は巻き物に吸い寄せられていなくなってしまった。
その瞬間…朋也は朧気な目でいなくなる美雷を見ていた。
「…終わりか?」
「一件落着♪これで雷はいなくなったわ」
ミナはあー終わった、と言いながら屋上から出た。
残された俺と朋也。朋也は呆然として動かない。
きっと彼には美雷の暗示によって何が起きたか分からない。悲しくもないのだろう。
ただ一言…
「すみませんでした…最期に面白かったです」
と笑顔で言い、屋上から出た。
その言葉に疑問を覚えつつ俺も屋上から出た。
彼の自殺を知ったのは翌日の朝刊だった。
死因は…感電死だった。
土曜日。
学校は休みである。連日の(意味がよく分からない)戦いに巻き込まれグッタリである。今日は寝かせてくれー…
ガチャリ。
奴が来た。近付いて来た。
「まさ…」
「るせぇ!!寝かせろ!!学校は休…」
あ…母さん。
「……………」
「あ…ごめん…ミナだと思った」
「おはよー♪って…あれ?二人して何黙って…?」
ややこしいのが一人。
「優…ごめんなさい…そんなつもりはっ!!」
ダダダダッ。走り去る母。どんなつもりだ…。
「ふーん…近親相関はダメよ、優?」
「ち、違ぇよ!!」
朝からぶっ飛んでんなぁ…我が家。
どうやらミナが来てから平穏という言葉は我が家からなくなったらしい。
朝もゆっくり寝れない始末。しかも相手が神様だからこの上ないややこしさである。
それで今日は…
「優…これは何だ?」
「ああ…ゲームって言うんだけど…TVを使う遊びだ」
「ほう…ゲーム…面白いか?」
「面白いぞ?やりたいか?」
「やる」
俺はあえて格闘物を選んだ。俺の鍛えられた指先でボッコボコにして日頃の恨みを返す魂胆だ。お前が知らないハメ技、10連コンボ、超必殺技を惜しみ無く使わせてもらうぜ!!ガードもろくに知らない貴様はなす術無し!!

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