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俺の守り神
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俺の守り神 13

「え…?」
火芽はキョトンとこちらを眺めている。
「ミナ…あいつ、殺していいよ?」
「あれ?優がそんなことを許可するなんて珍しいわね」
「あぁ…たまには俺だって神様を裏切ることをしたいからな」
「ふぅん…ま、いいわ。私も同じ気持ちだし」
「あいつ倒せたら、後でお菓子でも福袋でもなんでも買ってやる」
「本当?私、頑張っちゃうよ?」
「本当。あいつが神様になるよりはマシだからな」
「その言葉…忘れないでね?」

ミナとの最後の戦いが始まった。
そして…
同じ気持ちになれたのも、これで最後だった。
「やれ、ミナ!!」
「任せてっ!!」
ミナは自分のまわりに水球をいくつか浮かばせ、全てを火芽に向かって飛ばした。
バシュュュ…
しかし、水球は火芽に当たる直前で蒸発してしまった。
「危ないですわ?ねぇ…柳様…許可を…♪」
「構わん。やれ。」
火芽はニコリと笑顔を見せ、俺達を指差した。
「やばっ!?」
ズガァァァン!!
きっとミナがとっさに回避行動をしていなければ、二人して丸コゲになっていただろう…。
バックステップした俺達の目の前には火柱が立っていた。
「ちっ…」
ミナが舌打ちした。
「私の攻撃…届かないわね」
「あぁ…蒸発されてたな」
普通は火より水が強いと考えられている。しかし火が強過ぎると水は極端に弱くなってしまうのだ。
「お話してる暇はなくてよ♪」
今度は火球を放ってきた。
「くっ…!!」
ガシャャャン!!
ミナは目の前に厚い氷の壁を作った。
「水だと防げないわね…優!!なんかいい方法ある?」
「上手くいくかわからねーけど…ミナ次第」
「あるのっ!?聞かせて!!」
…………………
「どうだ?やったことあるか?」
「やるしかないっ!!」
反撃の狼煙はミナの自信に満ちた声だった。
ミナは水球を次々と火芽に飛ばす。しかし次々と蒸発されていく。
「無理よ?」
「……………」
ミナは無言で攻撃し続けている。
「無理なのよっ!!」
火芽はしびれを切らし火で攻撃した。
その瞬間…
ドォォォン…!!!!
火芽のまわりで大爆発が起きた。
様々なかけらが俺とミナに向かって飛んで来る。
「一応やったわね…」
「あぁ…倒したか…?」
「それを願うわ…」
ミナは水蒸気を水素と酸素に分裂させた。それに火をつけると爆発が起きる。それを高校の授業をやったのを覚えてた。
煙が消えた。
しかし、そこにある風景は想像していた物と違っていた。
火芽は…無傷だった。
「なっ…!!??」
「火神の私に火なんて通用しなくてよ…♪私は火傷したことありませんの♪」
ふふふ…と深みのある笑みを見せた。
「かなりやばいわね…」
「そう…だな…」
「他に作戦は?」
「…無い」
「ならさっさとやられましょう♪」
火芽が火球を放ってくる。しかも特大。
躱す俺とミナ。
その大火球は大きな爆発音を鳴らしてメリーゴーランドに当たった。
まず…アレを食らったら死ぬだろう…。アレだけは当たっちゃいけないと感じた…。

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