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亜紀13.5才
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亜紀13.5才 4

目映い光が亜紀をどこまでも包む。
どこまでも包む…どこまでも、どこまでも…どこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでも……。

「いつまで続くんすか、隊長」
「私に聞くな」
そこにオヤジが現れた。
「まあトランプでもして時間潰しませんか?」
「お、いいねぇ〜。つかお前いつ縄抜けたよ?」
「さあさあ、始めましょうか」





「あ、それロン」
「ま〜た〜隊長。麻雀とは違うんですって…」
取り囲む雑魚十億の笑い声。戦士達の束の間の休息。そんな穏やかな騒々しい時間を破ったのは、一人の少女だった。

「混ぜて…」
鋭い眼光。温度を感じさせない声。髪は金色に逆立ち、巨大なオーラをその身に纏い、超鼻糞神士亜紀はやって来た。

「オオ亜紀、やっと来たか。ちょうど今麻雀を始めるところだ」
手招きするオヤジをシカトしてなるべく離れた所に座る亜紀13、5歳。


ジャラジャラジャラ


第一局、親は亜紀である。
しかし亜紀、一向に牌を切らない。
「どうした亜紀、早く牌を切れ」


「牌は……このままでいい…」
「な、何ィ!!」

「まずは……貴様等を斬る!」

なかなか終わらない変身。自分をほっといてトランプに興じる脇役共。亜紀の怒りはピークに達していた。

亜紀の怒りに大地が、地球が震える。
「貴様等…一般的悪役の死に方ができると思うなよ…!」
「そうだ亜紀、やったれー」
「お前はメインだ…オヤジ。後で必ず…!」
氷の目。
亜紀の父親に向けられている殺意は、ケヌキー隊の比ではなかった。


「ふん、どんなに貴様が足掻こうが、こっちは数が違うわ!皆の衆、奴を圧殺しろっ!!」
神速で寝返ったオヤジの号令でケヌキー隊が襲いかかった。

亜紀、呼吸を整え精神を研ぎ澄ます。すると、亜紀のオーラが一際大きくなった。
十億のケヌキー隊がかすかに怯む。
ケヌキー隊の動きが止まった一瞬を亜紀は見逃さなかった。
「鼻糞神技・膝カックンッ!!」
亜紀の姿が消えると同時に、一人の隊員が膝から崩れ落ちる。

それからはまさに阿鼻叫喚の地獄絵図だった。
最初の一人の悲鳴を合図に、次々とケヌキー隊員がカックンされた。恐怖に逃げ出すものも、泣き出す者も容赦なくカックンされた。



そして…
「残ったのは貴様一人だな、オヤジィ」
死屍累累…目の前に広がる光景に、オヤジはそんな言葉を当てていた。
オヤジ…絶体絶命…。





「待ちな…まだ…終わっちゃないぜ…」
もはや、棒にもならぬほど弱った足で立つ者がいた。
「た、隊長っ!」
「隊長!危険です、伏せて下さい!」

何故立ってしまうのか…。その場にいたケヌキー隊全員が思ったことである。
寝てさえいれば、伏せていれば、あの悪魔のごとき少女の攻撃から逃れられるのだ。
それだけで…たったそれだけで…。

「馬鹿も〜ん!!」
隊長の怒声に竦みあがる隊員たち。

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