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柳沼隼人の場合〜人食〜
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柳沼隼人の場合〜人食〜 7

それでも腕一つ分の肉は多い。二の腕を殆ど食いちぎり、最後のデザートとして中指を噛み千切った後、冷蔵庫に直す。口元から胸元に向けて大量の血が溢れ出て部屋全体に血の匂いが漂う。
「・・・・・若作りしすぎだな」
口の中でゆっくりと楽しむように指を転がす。既に爪は無い。彼女が生きているうちに剥ぎ取った。
いなくなった裕子を愛惜しむ行為だった人食は、もはや柳沼にとって日常でありなくてはならないものと化していた。

口周りの腐汁を指で拭っては口に運びこんで舐めとっていく
その姿は指に付いた砂糖に夢中になる子供のようで、ゴリゴリと骨をかじる音とその血にまみれた風体が違和感をかもしだしていた。
「ご馳走さま」
柳沼は人独特の匂いが染み付いた服をゴミ箱に捨て去り、風呂で身を清めると狩りに出掛けた。

行き先は会社……そう、柳沼は人として普通に暮らしている。

いつか男の周りから消えた人を探して誰かが柳沼の家を探して当てるだろう、それは警察かもしれないし、食われた者の知り合いかもしれない
もしかしたら隣の肉が見つけるかもしれないし、匂いを嗅ぎ付けた同族かもしれない

ただひとつ言えることはおかしくなってしまった僕の食事を止めることは出来ないってことさ、

美味しそうだと思った奴から拐って捌いて冷蔵庫にしまってやる。


さて……

今日の晩御飯はどうやって持ち帰ろうか?






 柳沼隼人の場合〜人食〜    






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