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ミンナ生カシテアゲル
その他リレー小説 - ホラー

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ミンナ生カシテアゲル 4

俺の体に悪寒が走る…あいつはみんな来ると言った。何故だ…みんなあの事件の事は忘れたがっているはずだ…ただ俺のところにきた電話からしてあいつは皆に連絡しているに違いない。そう考えているうちに俺の脳裏にはあの事件がフラッシュバックし吐き気が体を襲う。
カカシがメールを受け取った後に一人の女に電話がかかってきた。「もしもし」
「…」
「桜井ですが」
「こんちわ〜桜ちゃん??同窓会のお知らせミテクレタ??」
瞬間桜の脳裏にあの事件が思いだされ桜のなかでなにかがこみあげてくる。それは嫌悪感でもあり憎悪でもあった。「覚えててくれた??」
「嫌でも思いだすわ。今頃なんの用なの」
桜は強気に奴に問いただす。しかしそれは外面だけであり心の中はもう追いめられていた。
「今度久し振りに生カシテアゲタみんなにあいたいんだ。来てくれるよね?」
「冗談じゃないわ。何で今さら。もうあの時の事は思い出したくもないのよ」
「それでも桜ちゃんは来るんだよ。絶対に……」
薄気味悪い笑い声がしたかと思うと、電話はプツリと切れた。


誠(マコト)は葉書を見た瞬間発狂した。
次の瞬間には、記憶の断片をも消し去るように、これでもかと言うぐらい細かくなるまで葉書を破った。
そんな時、携帯電話が鳴ったのだ。
だが誠に電話をとる気力はなかった。
自然に留守電へと切り替わる。
『マコッちゃん。同窓会の案内はもう見てくれたかな?』
とたんに誠の指先が硬直した。
『みんな待ってるから、きっと来てよね。じゃないと……』
しばらく無言が続いたかと思うと、電話は唐突に切れてしまった。
誠は再び発狂し、細かくなった葉書屑を携帯に投げつけた。
葉書屑は紙吹雪となり、狭い部屋で虚しく舞った。



加菜恵(カナエ)は、葉書と電話で一通りショックを受けた後は冷静さを取り戻していた。
名流小学校3ーCの同級生で、唯一連絡のとれる奈都(ナツ)に電話をすべきだろうか。
あの事件以降、同級生だったこの二人もまた別々のところへ引っ越しをしていた。ただ、二人の母親が名流小学校の同級生という事もあり、高校を卒業した頃に奈都と再会する事があったのだ。その時に電話番号は聞いていた。
しかしお互い忌まわしい記憶に触れたくないためか、ほとんど連絡をとることはなかった。

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