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ミンナ生カシテアゲル
その他リレー小説 - ホラー

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ミンナ生カシテアゲル 1

「もう飽きたから帰るね?みんな生かしてあげるよ」そう言ってあいつはのうのうと教室から出ていった。教室に名流小学校三年C組の先生と生徒、合わせて二十五人の死体と、余った僕達七人を残して・・・。
「こんちわー」 十七年前、あいつはそう言って教室の中に入ってきた。その言葉は今でも覚えている。そして、不審がってあいつに近寄った先生になにをしたのかも。 「大人はいいんだよ」 そう言ってあいつは手に持った『何か』を取り出すと間髪いれずに先生の頭に向け、引き金を引いた。先生は軽い破裂音とともにゆっくりと倒れこんだ。頭から血とピンク色の脳みそを吐き出しながら。
僕達はあまりの衝撃にパニック状態になった。更にあいつは手にした銃を乱射して生徒を次々と殺していった。その数二十五人。クラスの大半の生徒があいつに殺されてしまったのだ。教室は血の海だ。僕を含めて生きている連中は悍ましい光景に吐いてしまっていた。もう地獄絵巻だ。
「難しい顔して何思案してるの」妻の声で僕は我に返った。この時期はよく事件を思い出してしまう
「何でもない」僕はぎこちなく微笑んだ
「はい、これ。あなたのよ」妻かくれた郵便物の一つに僕は凍り付いた
『名流小学校三年C組同窓会のお知らせ』
馬鹿な、何かの間違えだ。七人とも事件を忘れたくて引っ越したのに、今さら会いたがる訳がない
嫌な予感がした。が、それは的中する
堅い文章の後『PS・こんちわ−。カカシ君、僕のこと覚えてるよね。今度、生カシテアゲタミンナと会いたいな』
あの声で、当時の僕のあだ名を呼ばれた気がした
『カカシ』は僕が左足を骨折した時に付けられたあだ名で、クラス全員知っている。しかも骨折が珍しかったのか、他のクラスの奴もそう呼ぶようになった。
だからあだ名だけなら悪趣味な悪戯と思えたかもしれない
でも『に』を全く発音しない『こんにちわ』と、場にそぐわない笑みを浮かべて呑気に言った『みんな生かしてあげる』という言葉……。これはその場にいて生き残った七人と奴を入れた八人しか知らないまずだ。と言う事はやはり他の奴らにも届いているのだろうか?
僕はもう一度日時を確認した。やはり事件のあった日の夜だった。

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