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ミンナ生カシテアゲル
その他リレー小説 - ホラー

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ミンナ生カシテアゲル 17

実際、赤城奈都のバストは豊満であった。

思春期男子や助平親父なら兎も角、妻帯者で常識人のカカシには彼女の豊満なサイズのバストは大した問題ではない。
豊満なバストのサイズ以前に奈都は男物のジャージでも、豊満なバストが収まらず、Tシャツを盛り上げている以外では大した問題はなかった。

参考までにカカシの妻は、豊満なバストを持ちながら小柄に加えて小足なので、歩幅を合わせて歩くのに気を遣う。

結局は豊満なバストが好きな事には違いないカカシと、小声で『ムッツリ』と罵倒する奈都の携帯にメール着信があった。

当然それは、アイツからである。

そしてその内容はさながら奈都を主人公とした、ゲームのルール説明であった…。

『さあ!ゲームを始めようか?レッツプレイ!』

※基本ルール

・生存者七人で協力して殺人鬼を倒す事。
・生存者は新旧校舎を含む学校敷地内に分散している。
・殺人鬼は強力だが不死身ではない
・敷地内には使い魔や罠を配置。
・新旧保健室を安全地帯とするが、そこから外部へと攻撃した場合、安全の保証はしない。
・内部での連絡は可能だが外部には取れないよう細工した。
・ネット等のアクセスは可能だが外部への連絡は不可能。
・他の合図や信号などで外部と連絡を取ろうとした場合無関係な人間ごと皆殺し。
・ゲーム途中の脱走は無関係の人間ごと皆殺し。

※補足

・ラストバトル以外でもランダムで殺人鬼は攻撃を行う。
・ランダム出現の殺人鬼は時間経過、ある程度のダメージ、安全地帯への到達で撤退する。
・生存者の動向次第で多少のルール変更を行う。



内容は比較的シンプル、本当に可能なのかという部分は幾つか存在したが、アイツならやりかねない。

二人はそれを十分に理解していた。、肝が冷える。

仮に狂言だったとしても、無関係の人間を巻き込む危険人物には違いない。

「先を急ごう!」
「あ…待って!」

立ち上がるカカシを奈都が引き留める、理由は勿論、塞がり切らない銃創であった。

左ふくらはぎに約10cmほどの浅いが鈍く塞がりにくい切り傷。
撃たれたにしては軽症でも、どこかに血痕を残せば追跡の材料となるだろう。

だがこの旧校舎の保健室は単に半端な物置と化しており、まともな医薬品の類が殆どないのだ。
だから反対に着替えや靴などが見つけられた、とも言える。
そして絆創膏では間に合わず、タオル等ではすぐ滲んで来る上に不衛生だ。

いっそ放置して新校舎の保健室に期待するか…。

「あ、アレが使えるかも。」
「アレって…どれだい?」
「いいから座って、そして目をつぶってて。」
「あ…ああ。」

カカシは奈都の複雑な表情に気圧され、素直に従った。
何かの包装を開封する音、そしてちょうど傷口を覆い切れる何かが当てがわれた。
カカシはそれは長方形で厚手の綿状素材ではないかと感じた。

「止めるもながないから、ガムテープで代用するわよ?」
「ああ。」

奈都は近くの机にあったガムテープで長方形の両端でカカシの足を一周させ、ズボンの裾を戻す。

「目開けていいけど…何貼ったかはみないで…。」
「わ…わかった。」

正直カカシはわかりそうでわからなかったが、女性の機微というのを悟り深くは聞かない事にした。

カカシが足を動かした感じガムテープの微妙な粘り以外は問題なかった。

「ありがとう。」
「いいの、ごめんなさい。」
「赤城さんに謝られる理由は…。」
「あるよ。」

カカシの前には深くうなだれ、肩を震わせる奈都がいた。
長く艶やかな黒髪が乱れその表情は見なかったが、明らかに泣いていると分かる。

「私ね…。」

赤城奈都は涙ながらにむせかえりながら、自分の知りうる全ての真実を話した。

アイツが現れた発端である、オマジナイの事。

アイツへの対抗策となるオマジナイに失敗した事。

アイツに言われるがままゲームに乗ってしまった事、都合の良さだけでカカシを選んだ事。

そして何よりもアイツに指摘された通り、加菜恵しか見えていなかった事。

「落ち着け、赤城さん。」
「だって…私。」

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