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ミンナ生カシテアゲル
その他リレー小説 - ホラー

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ミンナ生カシテアゲル 14

カカシ君の一件だって私一人の手柄みたいに飾ってるし。

加菜恵だって無理して私に合わせてただけかもしれないのに。

私本当は迷惑な子だった。

違う、きっと今でも…。

そうだ私がこんなんじゃなきゃ、せめて加菜恵と一緒に相談しながら…。

「…という訳だから保健室のカカシ君と合流してね。」

私が鬱々と自己嫌悪と自己批判のループに陥ってる間もアイツはマイペース、気持ち悪い。

「詳しいルールはそんくらいの時間にメールで…。」

何がしたいのかわからない殺人鬼の狂ったゲーム、友達同士の約束でも取りつける様な口調。

私は悪魔の契約がごとき挑発に乗ってしまった後悔と、不気味で不可解な緊張感で、泣きたく…。

がごぉん!がごぉん!ばきぃん!ばたぁん!どさどさ!

…って何今の?下から聞こえたけど?

「コンテナの扉サビてたか、本当に悪運の強い奴だな。」

…アイツが去り際、またダストシュートを覗き込む。
呟いた内容からして、さっきの人は脱出成功したらしい。

……。

気が付くと私は一人だった。
取りあえず放り出したバッグや小物を拾い集める。

今は吐き気も震えも涙も止まっていた

あの馬鹿っぽいチビから元気を分けてもらった気がした。



「馬鹿にすんな。」

俺はどうにかコンテナを壊して脱出した。
ダストシュートの途中で何度も引っかかって減速、コンテナの中身はプリントや書類のシュレッダー屑。

色々重なった悪運。

そしてガキの頃から質素で地味な食事のお陰で、タッパはないが頑丈に育っていた。

また生き延びた。

『何で他の子が死んでお前は生きてるの?』

事件直後の転校初日、そんな軽口を叩いた馬鹿相手と生まれて初めての喧嘩。

人生観は変わったが、根本的には一緒。

中学高校でも、自衛隊に入隊してからも、クビになって派遣でボチボチやってる今も。

何かと肝心な所でツキがないか、チャンスの時に限ってビビる。

そして底辺。まるでこのゴミ捨て場な訳だが、何故か俺の荷物が置いてあった。

嫌がらせみたいな配置だが荷物自体は無事、簡単な武器とキャンプ用品、あとバイク用の半帽(ヘルメット)。
財布や携帯に煙草といったポケットの小物も無事、怪我も軽傷。

問題なのはマコっちゃんだ、あのお人好しめ、来るなと釘を刺したのに何で来た?

「馬鹿にすんな。」



「押すなよ!押すなよ!絶対押すなよ?」
「大丈夫!マコっちゃん芸人属性だし!」

大丈夫じゃねぇよ、琢也の言う通り来なけりゃ良かった。
中学で再会した琢也は別人だったが、性根は臆病な奴だ。

ほっとけなかった。

弥生にも『絶対来るな』と電話したが大丈夫だろうか?

マブダチとカノジョには悪いけど、俺はそれどころじゃない。
アイツに拳銃で脅され全裸にされて手足縛られ、飛び込まないと撃たれるって現状

面白デブを自負する俺だが、薬剤師の資格持ちで多少なり医学知識がある。
今の状態で11月の夜中でそれなりに冷えたプールに飛び込めばどうなるか?
心臓麻痺か凍死か、それとも小学校のプールで溺死か。

そうした死亡事故があり得る状況。

アイツは

押しやがった

「殺す気かぁあああああ!?」



「ゆっくりしていってね。」

自重しない第一村人、アイツはそう言って教室を出て行った。

という訳で皆さまこんばんわ!藤吉弥生のゆっくり実況…。

はじまるとおもった?ばかなのしぬの?

駄目だマコっちゃん私には無理。
こんなふざけた状況、彼だったら?もっとふざけて場を和ますだろうな。

殺人鬼に通じるか、わからないけど。

私の方はというと何一つゆっくり出来ない状況で置プレイ!パイプ椅子に手錠で拘束されてる訳ですよ!

右手だけは自由!手を伸ばせば届く位置にポテチ!コーラ!スマホ!

ナイスおもてなし!アイツ気が利くなぁ〜…って、ざけんなし!
こんな廃校の職員室にあったとか賞味期限いつよ?期限内でもこの寒さじゃどっちみち腹下すわよ!最悪放送事故じゃないの!そんな実況動画誰得なのよ!速攻バンされるわ!

ぶぅるぁああああ!
畜生ぉおおおお!
な〜んちゃって?

…………。

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